「おバカなイケメンモデル(…!?)がラブ&ピースで世界を救う!」ズーランダー 近大さんの映画レビュー(感想・評価)
おバカなイケメンモデル(…!?)がラブ&ピースで世界を救う!
モデル界を舞台にしたハチャメチャコメディだけど、監督/製作/脚本/主演を兼任したベン・スティラーに問いたい。
どっちのアイデアを先に思い付いたの…?
自意識過剰の男性ファッションモデルを主人公に、業界を徹底的にディスる。
華やかなショービジネスの世界の光と陰。
シリアスにも出来るが、これはベン・スティラー映画。おバカコメディ。
モデル界を皮肉った題材一本だけでもイケそうだが、もう一要素欲しい。
そこで…いや、それとも、
『オースティン・パワーズ』や『ジョニー・イングリッシュ』のような当時人気だった(…のかな?)スパイ・コメディを作りたい。
何故か標的はマレーシアの首相。
洗脳して暗殺者を仕立て上げるが、それに適しているのが、
頭も中身も空っぽで、洗脳しやすいバカ。
ちょうどぴったりの人物なんて…いた!
自意識過剰のバカな男性ファッションモデル…!
何故にモデル業界とスパイ・コメディを融合…?
理由はない。だけど、そこが凡人と非凡なおバカ笑いの才のベン・スティラーの違いである。
にしてもベンさん、本当にどっちのアイデアを先に思い付いたの…?
もうとにかく、ベン・スティラーのやりたい放題である。
徹頭徹尾おバカに徹した笑いの演出、本人もノリノリの笑演。
オイオイ、ベン・スティラーが超人気イケメンモデルって…、だからこそ成り立つ作品なのである。
オーウェン・ウィルソン、ウィル・フェレル、ヴィンス・ヴォーンら気心知れた“ファミリー”の出演。
本当の“ファミリー”。(当時の)奥さんのクリスティン・テイラーや実父のジェリー・スティラーの出演。
豪華なキャスト(ジョン・ヴォイト、ミラ・ジョヴォヴィッチ、デヴィッド・ドゥカヴニーetc)や超豪華カメオ出演(アノ人やコノ人…これは見てのお楽しみ!)はベンの人脈か。
楽曲センスもgood! “Relax”だけには要注意!
笑いは今だとNGなネタも。
ファッションもゴージャスなのか奇抜なのか、センスあるんだか無いんだか…。
一応、トップの座からの陥落、挫折からの再起、ライバルとの確執~友情、陰謀や洗脳なども描かれてはいるが、このおバカもアホさも純度100%の笑いを楽しむ作品。
笑いが世界を救う。
手裏剣だって止める!
実はとっても、和平的なメッセージの作品!…なのかもしれない。