妖怪大戦争のレビュー・感想・評価
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"大戦争"というより"大集合"
「妖怪大戦争(三池崇史監督版)」シリーズ第1作。
角川グループ創立60周年記念作品。
Amazon Prime Videoで2回目の鑑賞。
小説版(荒俣宏・著)は既読です。
オリジナル版は鑑賞済みです。
リメイクとは言え、オリジナル版とはストーリーが異なる全くの別物。本作は主人公の少年・タダシくんのひと夏の冒険と成長を描くジュブナイルとなっていました。
オリジナル版では大半が着ぐるみだった妖怪たちも、俳優に特殊メイクを施したりCGを使うなどしていて、技術の進歩がうかがえました。さすがにヨモツモノはフルCGで表現されていましたが、他の部分ではアナログな特撮表現も大事にされていて、特撮ファンとしてはかなり嬉しかったです。
"大戦争感"は殆ど感じられませんでしたが、加藤との決戦のお誘いに尾鰭がついて、大盆踊りまたは大喧嘩祭りをやるらしいぞと、ウキウキして東京に集まって来る妖怪たちはとても陽気で、日本の妖怪らしいシーンだなと、ほっこりしました。
子供時代の神木隆之介くんを愛でる不気味なのにハートウォーミング
少年時代の本当に可愛い神木隆之介くんを愛でる映画です。
村のお祭りで悪者と闘う麒麟走児に選ばれた少年タダシ君が妖怪たちと出会い、勇気を振り絞って悪と立ちむかうという少年冒険話なのですが、まだ幼い神木くん。
「ホームアローン」で一人でお留守番をしていたマコーレー・カルキンくんより恐怖体験をしているはずなのですが(笑)、がんばれちびっこ! 怖がってた少年が勇気を奮い立たせて悪に挑む姿がなんとも可愛い。そして子供は素直です。不気味な妖怪たちとなじむのが早い。みんなお友達になってしまう。
名作『ネバ―エンディングストーリー』のエリオット少年を思い出してしまいます。タダシくんがんばれ~!!
神木隆之介くんが当時「天才子役」とよばれていましたが、素晴らしい演技を魅せてくれていました。闘う決意をしてキリッとした表情をすると、急に「大人の神木隆之介さん」の顔になるので、それも妖怪チックで、年を取るイコール妖怪化するということなんでしょうかね。
日本にこんなにたくさん妖怪がいたんだ!と驚かされるくらい、大勢の妖怪が登場します。『千と千尋の神隠し』に集まった妖怪達にも驚かされましたが、こちらは千と千尋が作られる何年も前にできた作品で実写版です。全国の妖怪が一同に会する異様な光景を人力で作り出してしまった松竹・角川の入魂。日本人のイマジネーションの豊かさを、『角川グループ60周年記念製作作品』で子供向けに、大の大人が本気を出して作りました!というのが楽しい。
妖怪を演じる役者陣が豪華で、これは現場もむしゃくちゃ楽しい撮影だったのではないでしょうか。
小豆を洗うだけの妖怪「小豆あらい」という人事無害の妖怪(ナイナイの岡村さん)、水の入った桶に入った豆腐を持ち歩いてるだけの「豆腐小僧」とか(雨上がり決死隊の蛍原さん)とか、ガーデアンオブギャラクシーの「グルート」の方がまだ人の役に立ってるよ!と言いたくなるぐらい、皆さんなんなの?という日本の妖怪達。
なんというか、観客の期待を裏切らない妖怪キャスティング。
河童の川太郎が異様なテンションで奇怪な奇声を上げて本物の河童にしかみえません。特殊メイクが見事なので役者さんが誰だだか全く分らなかったのですが、阿部サダヲさんだと気が付いたのは映画が始まって1時間くらい経ってからで、気が付いた後は爆笑。全力投球すぎて気が付つきませんでした。
悪役で登場する豊川悦司さん、かっこよすぎでした。
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