劇場公開日 2005年8月6日

「かつてはアントニオ猪木も務めたといわれる麒麟送子。彼はブラジルに移住していたこともあるので、小豆パワーではなくてコーヒー豆パワーによって強くなったのかもしれない」妖怪大戦争 kossyさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0かつてはアントニオ猪木も務めたといわれる麒麟送子。彼はブラジルに移住していたこともあるので、小豆パワーではなくてコーヒー豆パワーによって強くなったのかもしれない

2020年7月23日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

 舞台は水木しげるの生地鳥取。ゲゲゲの鬼太郎や多くの妖怪のブロンズ像が立ち並ぶ水木しげるロード、水木しげる記念館、1両編成の電車は妖怪電車。まさしく鳥取県が全面協力した映画となった。鳥取県の映画としては、『リアリズムの宿』の徹底した脱力系わびさびを描いた世界、『砂の器』での荒涼とした日本海、そしてこの映画では、大天狗が住む山を筆頭におどろおどろしさと神々しさをも感ずるのである。さて、この鳥取県であるが、意外なことに、県庁所在地を言い当てられない人が多い。米子市でもなく、倉吉市でもなく、鳥取市なのです!(実は、調べるまで不安だった・・・)

 主人公の小学生タダシ(神木隆之介)は東京から転校してきて、「弱虫」と言われいじめられている少年。夏休みに入り、地元のお祭りで“麒麟送子”に選ばれて、勇気を出すチャンスを与えられたのです。子供の目にしか映らない妖怪スネコスリ(スネカジリではない)を助け、妖怪の敵加藤保憲を倒すため妖怪たちとともに東京を目指すといった単純明快なストーリー。『帝都物語』『帝都大戦』の加藤とリンクしていることを除けば、お子様にも十分楽しめる映画なのでしょう。ひょっとすると、子供を連れて鑑賞するお母様方には面白くないかもしれませんが、子供連れのお父様方にはかなり楽しめる内容です!アギ(栗山千明)のギリギリショットや川姫(高橋真唯)の太股に、目が釘づけになること間違いないですから、「お父さん、ヨダレ出てるよ」と言われないように注意しましょう。

 映像ではプロデュース「怪」の御大が自らも出演するなどのこだわりを見せ、造形は素晴らしいものがあります。特にクライマックスの妖怪大集合のシーンでは3000人のエキストラが出演するなどして、迫力はすごい。しかし、加藤(嶋田久作じゃなくて豊川悦司)の不気味さや怖さは感じられなく、栗山千明の残酷さだけが際立っていたのは残念でした。また、怖いシーンよりも笑えるシーンが多くなってしまったのは、三池ワールドから飛び出した役者たちの遊び心のせいかもしれません。

 「戦わない戦争映画を作りたかった」とおっしゃる荒俣氏。子供向けということを考えれば、これでいいのかもしれませんけど、広島原爆記念日に公開日を合わせたことや、ラストの反戦メッセージが宙ぶらりんになってしまったことを考慮すると、この展開でよかったのかどうか疑問が残ります。なんだかんだ言っても、ウルウルしてしまったkossyです。

【2005年8月映画館にて】

kossy
近大さんのコメント
2021年8月18日

さすが鳥居みゆき(笑)
渦中の芸人はその歌を聞いてどう思うでしょう(^^;

近大