THE 有頂天ホテルのレビュー・感想・評価
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言いたい奴には言わせておけばいいのよ
映画「THE 有頂天ホテル」(三谷幸喜監督)から。
彼らしい台詞が随所に散りばめられていて、
当然私のメモは増えたが、選んだのはこの台詞。
ちょっと手垢の付いた、目新しいフレーズではないが、
なぜか、この映画を一言で表現すると、こうなった。
もちろん「自分の思いとおりに生きるの」とか
「やりたいようにやらないと・・」なども同じ意味。
言葉ではわかっていたが、なかなか思うように
「言いたい奴には言わせておけない」のが心情であった。
でも、少しだけ、ほんの少しだけど、
この映画を通して「言いたい奴には言わせておけばいい」
の意味が理解できたように思う。
言いたい奴は、何をしても言いたいのだから、
自分がしてみたいことを、思いっきりしてみたほうがいい。
ちょっぴり、精神的にも余裕が出来たような気がする。
予想以上によかった
予想以上によかったです。登場人物が多く、エピソードがてんこ盛りで複雑に絡み合っていますが、難しいことはありません。きっと演出がしっかりしているということでしょう。可笑しいというより楽しい映画でした。星5つでもいいくらいな星4つです。
いくつもの伏線が大団円にむかう
三谷作品がとくいとする
ワンシチュエーションドラマ。
ホテルを舞台に、よくぞここまで事件や
面白い展開がおきなると・・・
楽しく、幸せにしてくれる1本です。
豪華な役者陣。こんなホテルに泊まってみたい。
大分前の作品だけど、なかなか観る機会が無く、ようやくレンタルできました。
さすが三谷さんの作品。
いろんなインパクトのある人物が登場し、みんな複雑に絡み合っている。
ラストは大きく広げた風呂敷を強引にまとめてハッピーエンド。
かなり笑えました。
でも、ちょっと登場人物多すぎて、一人一人にフォーカスが当たりきれてなかったかな?
唐沢さん、生瀬さん、西田さんあたりはもう少し登場してもよかったし、川平さんあたりはもう少し控えめがよかったかな。
上映時間は2時間超とちょっと長い気もしたけど、楽しいひと時を過ごせました。
一度はこんなホテルに泊まってみたいですね。「おかえりなさいませ!」って迎えてくれることでしょう。
これぞエンターテインメント!
由緒正しい有名ホテル「ホテルアバンティ」。大晦日の夜、新年を迎えるカウントダウンパーティの準備に大忙しのホテルに様々な宿泊客(やそれ以外の人も)が訪れます。
副支配人の新堂、客室係のハナ、ベルボーイの憲二、若手国会議員の武藤田・・・。様々な人々のエピソードが複雑に絡み合い、ラストへと雪崩込んでいくストーリー展開は、三谷幸喜脚本の真骨頂だと思います。
元々、邦画に対してあまり良いイメージは無かったんですけど、この作品は心の底から楽しめました。細かい突っ込みどころを言い出せばキリが無いんですけど、そういう野暮な事は抜きにして楽しむべき作品ですね。
逆に、細かい部分が気になる人には向いてないと思います。
こういう「おバカ映画(いい意味で)」を楽しめる気持ちの余裕がある時に観ましょう(笑)
誰が一番、有頂天…?
三谷幸喜監督作品。役所広司、松たか子、佐藤浩市、香取慎吾、篠原涼子、生瀬勝久、麻生久美子、唐沢寿明、戸田恵子、原田美枝子、オダギリジョー、西田敏行、伊東四朗、津川雅彦…もおいいかな?こんなとこで。いや、まだまだ他にもおられるんですが…。一体何人“ピンで主役を張れそうな俳優”が出演してるんでしょうか、この映画。で、この中でホントに有頂天なのは…ヤッパリカントクでしょうな~。
こういうの昔の映画から取って“「グランド・ホテル」形式”って言うんですね。で、これがなかなか面白いんですよ。始まって早々から、客席のあちらこちらから常にクスクス笑い声が聞こえてきてましたから。吾輩も結構クスクス笑ってました。でね、『そろそろ話しも佳境に入ってきたかな~』と思い、何気なく時計を見て驚いた…。その時点でまだ上映開始から1時間も経っていなかったんです!この映画の上映時間は“2時間16分!”こんなのが、まだあと1時間以上も続くの~。登場人物山盛り、場面転換、超スピ~ディ~!台詞、多くて早い。と~っても濃密…つ、疲れる~。結局最後まで、このテンションのまま突っ走ってしまいました、この映画。観終った後、結構しんどかったです。いや、面白かったんですけどね。まるでコッテリラーメンを腹いっぱい食べた後のような、感じがしました(ホントにゲップが出そうでしたわ…笑)。
ストーリー的には、中盤まではグイグイ引っ張られるんですが、終盤少々強引にまとめに掛かったかな~って感じがしました。チョット無理から腰砕け気味になだれ込んでいってしまったような…、そこら辺が少し残念に感じられました。
でも、これだけのキャストを集めた映画を、笑いながら観られるなんて、何かとても贅沢なモノを観せてもらった気がします。吾輩、三谷幸喜作品に、これまでそんなに魅力を感じなかったのですが、この人の才能はホンモノだと、改めて痛感させられました。今頃さぞ有頂天なんでしょうね!
うんざり
印象につまらないがないので、単純に…。
キャストは豪華なのに脚本がダメ。
所々笑えるとは思うシーンはあるんですが、押しつけがましいさが目立ちうんざりさせられる。
2時間10分あるならもっと上手くキャストを動かして面白く出来たんじゃないかと思うんだけど…。
見た後、何も残らない映画だと思いました。
具が豪華だからといって、美味しい鍋にはならない
「みんなのいえ」以来4年ぶりとなった三谷幸喜監督作は、主演の役所広司を筆頭に、現在の日本映画界を代表すると言っても過言ではない、松たか子、佐藤浩市、香取慎吾、伊東四朗、西田敏行、三谷組常連、etcが勢揃いするオールキャストムービー。しかして、その実態は?
確かに1つ1つのシーンは面白い。しかし、メインキャストだけで23人も登場する物語を、2時間少々におさめるのは、やはり無理があったと思う。例えて言うならば、具が豪華すぎる鍋…焦点を当てるキャラクターを絞れば、もっとテンポのよい物語になったと思われる点が残念だ。
さらに不満を言わせてもらえれば、終盤、松たか子扮する客室係に唐突に人生訓を語られ、ホロリとさせようとする展開があまりに強引。常々思うのだが、三谷“監督”には、無理に泣かせに走ることなく、コメディに徹して欲しい。
とは言ったものの、本作は豪華キャストを見ているだけでも楽しい1本であることは間違いないので、各キャストの芸達者ぶりを堪能してほしい。
複線の張り方が素晴らしい
映画「有頂天ホテル」を見てきました。
この映画は、「愛と勇気と素敵な偶然をお届けします。」を公式サイトで約束している作品です。ドタバタに近い喜劇なんですが、宣伝文句のとうり、数々のエピソードを等して、年末の年の瀬に、来年は、未来にはいいことがあるから、諦めないで希望を持って生きようという気持ちにさせてくれる映画になっています。
年末のカウントダウンパーティを控えたホイルで、スキャンダルから身を隠す代議士(佐藤浩市)や、大物演歌歌手(西田敏行)に高級娼婦(篠原涼子)などなど個性的な連中が巻き起こすトラブルの数々を、主人公の副支配人(役所広司)ら従業員が的確にさばいていくというストーリーです。
「有頂天ホテル」の題名は、昔の海外の映画作品から着想したようなのですが、「有頂天」な人たちが真っ逆さまに落ちたとき、どう希望を見出していていくか。
また有頂天になれなかった人たち。例えば主人公の副支配人だって、かつて舞台監督夢破れて、ホテルマンになった過去があったり、香取慎吾が演じるベルボーイは、シンガーソングライターを目指していたのにもかかわらず、売れずじまいで諦めかけていたり、YOU演じる演歌歌手は、ステージで歌を歌さえ歌わせてもらえず、マネージャーの単なる愛人になっていたり様々に挫折した人たちも登場してきます。
この映画は、その希望を全く説教じみた台詞を使わないで、数々の素敵な偶然を紡ぎながら、観客に「そうなって欲しい」という期待どうりの結びを見せて、「よかったね」ってほのぼのとした心地にさせてくれて、なんだか自分も頑張れそうという気分に導いてくれます。
もちろん笑えるところもいっぱいあります。その笑いはとても良質なんですね。無理なドタバタでなく、幾重にも複線を張り巡らして、あれよあれよと登場人物をドツボにはめ込んでいくストーリーに、そうなるかも?と分かっていても、思わずクスクスわらってしまいます。
よくある若手芸人をいじめて受けを狙うタイプの後味の悪さもありません。ホント出演者たちも楽しそうに役をこなしている感じが伝わってきて、心地よい気分となりますね。
例えば、前出の慎吾ベルボーイが、冒頭夢を諦めホテルの退職して田舎に戻ることになっていて、自分の愛用していたバンダナやギター、そして幸福を呼ぶ人形をホテルのスタッフにプレゼントします。そのアイテムが、ストーリー中次々登場人物の手に渡されていき、最後に当の本人のところに戻っていくのですが、その偶然が重なっていくプロセスは、一筋ならではでなく、よくぞここまで細かく複線を考えたものだと感心してしまいました。だから、自分が上げたものが偶然に、自分に戻ってくるとき、シンガーとして諦めていた夢を慎吾ベルボーイが取り戻すところは、説得力があるし、ちょっとグッときましたね。
あと松たかこのセリフですが、「言いたいヤツには言わしておけ!」といって、有頂天な人たちを前に、毅然とものを言うところは、スカッとすることでしょう。
映画としては、非現実すぎると批評する人もいるけれど、作者の三谷幸喜自身この作品では、「アリの巣箱を観察する気持ち・面白さがホテルの一日を覗き見ることに似ていると思った。それぞれの人生や日常のシーンが絡まりあう面白さを映像化したかった」と語っています。日常生活にない日常の中の非現実空間がホテルには詰まっていて、そのエッセンスを凝縮して演出したかったのであろうと思います。
三谷監督は、その辺を「出演者に靴を一度も脱がさない映画が撮りたかった」と舞台挨拶で語ったそうです。一度でも靴を脱がすと、その先はありきたりの日常生活を延々と描かなくてはならなくなります。その点一度も靴を脱がなくて済むホテルを舞台とした映画なら、「愛と勇気と素敵な偶然」を描く舞台としてふさわしかったのでしょう。
主役級が勢ぞろいしたキャストや、ホテルのフロアを丸ごと再現したセットの豪華さは、間違いなく邦画最大級です。
最後にオダギリジョーさん、唐沢寿明さんには驚きました!皆さんはこのお二人がどんなキャストで登場しているか、予備知識抜きで見抜けるでしょうかねぇ。あとで知ったなら、もうびっくりですぞぉぉぉ~!
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