「具が豪華だからといって、美味しい鍋にはならない」THE 有頂天ホテル ダース平太さんの映画レビュー(感想・評価)
具が豪華だからといって、美味しい鍋にはならない
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「みんなのいえ」以来4年ぶりとなった三谷幸喜監督作は、主演の役所広司を筆頭に、現在の日本映画界を代表すると言っても過言ではない、松たか子、佐藤浩市、香取慎吾、伊東四朗、西田敏行、三谷組常連、etcが勢揃いするオールキャストムービー。しかして、その実態は?
確かに1つ1つのシーンは面白い。しかし、メインキャストだけで23人も登場する物語を、2時間少々におさめるのは、やはり無理があったと思う。例えて言うならば、具が豪華すぎる鍋…焦点を当てるキャラクターを絞れば、もっとテンポのよい物語になったと思われる点が残念だ。
さらに不満を言わせてもらえれば、終盤、松たか子扮する客室係に唐突に人生訓を語られ、ホロリとさせようとする展開があまりに強引。常々思うのだが、三谷“監督”には、無理に泣かせに走ることなく、コメディに徹して欲しい。
とは言ったものの、本作は豪華キャストを見ているだけでも楽しい1本であることは間違いないので、各キャストの芸達者ぶりを堪能してほしい。
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