「全部アゲハのせい」スワロウテイル Takさんの映画レビュー(感想・評価)
全部アゲハのせい
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25年以上前の映画だが今さら鑑賞した。
当時から評判は高かったし、Charaの主題歌くらいは知っていたので
期待値が高かったが、2022年の今見たからだろうか、
映画としては何とも退屈で面白いとはとても言えなかった。
セリフの言語を頻繁に変えることで独特の世界観を出したいのだろうが
日本人出演の邦画で日本語のセリフが殆どないのが単純に不自然で、
そこが終始気になって、見づらくて仕方ない。
ストーリーもとっちらかっており、山場が始まると思わせておいて
萎んでいったり、というシーンの連続でダラダラと続いていく。
主人公のアゲハの行動に一貫性や説得力が無く、
中盤から急にイキり出し、スラムのガキ共やジジイ相手ににドヤる。
そのガキにバラ撒かせた偽造紙幣が大事になり、これが遠因となって
フェイホンが死に(尋問を受けたのは偽造紙幣の被害が拡大していいたため)、
リョウ・リャンキが暗殺された原因にもなっている。
にもかかわらず、アゲハはしれっとフェイホンの葬式に出席し
役に立たなかった偽造紙幣を焼く。いやお前のせいだろ。
その後も命の恩人であるリャンキに「お礼」とか言いながら
もともとリャンキのものである盗んだテープを渡し
リャンキが探している妹がグリコであることを聞いていながら
「娼婦のグリコ」などと兄の前で言い煽る。
結局アゲハがいなければ、グリコとフェイホンは¥タウンで
ほそぼそと暮らせていたのだと思うとやりきれない。
一方で、Charaの歌唱は今聞いても色褪せず、荒廃しながらもどこか無邪気な
映画の世界観にとても合っていた。
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