劇場公開日 2002年7月20日

「映画の運命はかわっちゃぁいけない!」タイムマシン 流山の小地蔵さんの映画レビュー(感想・評価)

3.5映画の運命はかわっちゃぁいけない!

2008年3月31日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

 本日テレビ放送で何気なく見ていたのですが、冒頭の「運命は変えられないのか」というテーマで、興味深く見ておりました。
 婚約者と死別した過去を何とか変えられないかとタイムマシンでトライするものの、なぜだかいつも失敗に終わってしまう科学者の苦悩は、これからストーリーがどう展開するのか、期待して充分のものでした。

 ところが行き詰まった主人公が、突如遙か未来へワープするところで、話が大きく変わってきます。途中で天変地異により文明が滅びて、原始人のような人類が登場するところまではいいのですが、そのあと未開の地に主人公を留めてしまうので、サバイバル映画のような感じに変わってしまったのです。
 結局「運命は変えられないのか」という問いには、答えずじまい。せっかく興味深いテーマを見つけたのだから、それを膨らますべきだったのです。

 まぁ、シナリオをいじっていくうちに、途中で袋小路にはまっていったのだろうとは推測できます。最初の出足が良かったので残念ですね。

 もっと未来の出来事から教訓を学び、見事彼女とゴールインした方が、ラブストーリーとしては盛り上がったのではないかと思います。

 途中未来人の導師に、主人公が願う婚約者との幸福な家庭生活の映像を見せつけられます。それを導師はおまえはいつもタラレバで苦しんでいると決めつけます。そして人は過去の想い出と未来の夢の二つで、誰もがタイムマシーンを持っていると語られていました。きっと監督の哲学の中に、「運命は変えられない」というリアルな現実論があるのではないかなと思いました。オーランド・ジョーンズが出演しているのでファンは要チェックですね。意外な役どころでした。

流山の小地蔵