「人はここまでむごくなれるのか」戦場のピアニスト 映画好きのあおちゃんさんの映画レビュー(感想・評価)
人はここまでむごくなれるのか
ポーランド系ユダヤ人ピアニスト、ウワディスワフ・シュピルマンの実話を基にした作品。
才能に満ち満ちて、素敵な家族に囲まれた、穏やかな彼の日常。それがここまで不条理に、無惨に、奪われてしまうのかと、悲壮と悲嘆に暮れざるを得ない。
ハンナ・アレントが「エルサレムのアイヒマン」がいみじくも「悪の凡庸さ」と表現したように、どれだけ道理から外れていたことでも、同調によって人は無自覚・無感覚に行うことができる。一番怖いのは人間とその社会である、というのを改めて感じさせる作品。
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