「行き当たりばったりな登場人物と物語」ストレンジャー・ザン・パラダイス Cape Godさんの映画レビュー(感想・評価)
行き当たりばったりな登場人物と物語
総合45点 ( ストーリー:30点|キャスト:65点|演出:30点|ビジュアル:60点|音楽:60点 )
やたらと無愛想な登場人物たちは全く笑うことなくぶっきらぼうに最小限の会話をする。物語は行き当たりばったりで、特に目的もなくその日暮らしをする三人がひたすら描かれる。物語らしい物語もないままにそんなどこにでもある日常の描写が続く前半は退屈した。功夫映画を横一線で見ているだけの場面が何分も続くと、もうわかったからさっさと次の場面に行ってくれと願った。物語じゃなくて雰囲気を追いかけた作品なんだろうが、ここまで物語が薄いと耐え難い。登場人物がいい加減なやつらだから余計にそう思った。フロリダに行ってからの結末にやっと映画らしい展開が出てきて持ち直した。
好き嫌いがはっきりと分かれる作品だろう。描写の中に登場人物の心理がわかるようになっているが、逆に言えばそれだけであって話はとにかく進まない。最後が面白いし爽快な部分もあるのだけれども、前半がちょっといらいらしたし、やっぱり物語がはっきりしなくて好きではないかな。
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