ストップ・メイキング・センスのレビュー・感想・評価
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躍動し続ける90分
百聞は一見に如かず。
「アメリカン・ユートピア」は大好きで何回か鑑賞していたのだが、
かの有名なトーキングヘッズ自体は初めて目にした。
クールにも見えるがテクニックとフィジカルな熱さも兼ね備えたバンド。
息つく間もなく観客を熱狂の渦に巻き込むエネルギーの伝え方が素晴らしい。
何よりも最初から最後まで響きわたるリズムの重低音が心地よく、
IMAXの良さを今までで一番認識したかもしれない。
裏方目線を取り入れているところもライブ映画として斬新。
オープニングからエンディングまで全て楽しんだ。
映画館で観られて本当に良かったと思える傑作。
監督はジョナサン・デミ。 トーキング・ヘッズのライブを収めたコンサ...
監督はジョナサン・デミ。
トーキング・ヘッズのライブを収めたコンサートムービーで、初公開時以来の鑑賞です。
デイヴィッド・バーンをリーダーとするトーキング・ヘッズ。
1983年に開いたステージは、バーンがステージに持って出たラジカセを伴奏として「サイコ・キラー」を演奏するところから始まる。
ベースのティナ・ウェイマウスが登場し、徐々に舞台セットが整い、ドラムのクリス・フランツ、キーボードのジェリー・ハリソンほかコーラスグループも登場し、パフォーマンスは続いていく。
といった内容で、バーンを中心としたトーキング・ヘッズのパフォーマンスが余すところなくとらえた映像は圧巻。
で彼らのパフォーマンスを賛辞するだけなら映画を観る必要はなく、本物を観ればいいので、映画としての凄さを挙げておく。
2点あって、ひとつは、終盤までカメラが舞台を出ない。
客席後方からの遠景もあるが、観客の反応を映さない。
これは、あくまでも映画の観客は、観客席にいる。
その視点を崩さない。
もう一つは、パフォーマンスを損なわない範囲で舞台を構成するスタッフを撮る。
舞台装置を動かすスタッフ。
圧巻なのはライティングスタッフで、ドイツ表現主義的な影のパフォーマンスを現出してるのだけれど、そんな彼らは黙々と仕事をこなしているのである。
ステージ演出のバーンは、終盤、彼らを壇上に挙げ、観客からの賛辞を受ける。
舞台演出も映画演出も彼らへの賛辞が込められている。
ということで、この2点は映画演出上、素晴らしい。
また、カーテンコール、アンコールもなく終わり、誰もいなくなったステージを写すエンディングも、コンサートムービーかくあるべし、と思うが、すべてのコンサートムービーがこのエンディングである必要もなく、どちらかというと真似してほしくないんだよなぁ、なんてことも思ったりもした。
付け加えると、90分の短尺でもヘビー。
エネルギー量がすさまじい。
こちらも歳を経た。
結果、堪えた。
老いたことを実感した。
意味があるようで意味がないような歌詞を体験。
以下ネタバレ
トーキング・ヘッズのファンでもなく、
「ストップ・メイキング・センス」を見たことがなく、
「アメリカン・ユートピア」で
デヴィッド・バーンのパフォーマンスのファンになっただけでしたが、
IMAXレーザー/GTテクノロジーの巨大スクリーンで見るライブは
軽快なリズムが楽しく、
スクリーンを見ながら自然とリズムをとってしまいました。
トーキング・ヘッズの曲を聞き込んだわけでもなく、
「アメリカン・ユートピア」での曲以外は、ほぼ知らない状況でしたが
軽快なリズムが楽しめるライブ体験でした。
「アメリカン・ユートピア」を先に見てしまった誰もが思う、
「アメリカン・ユートピア」のプロトタイプな感じ、
昔からやってる事がぶれていない感じ、
「アメリカン・ユートピア」よりエネルギー満点の
走ってるデヴィッド・バーンの動きを見て
元気だなと思いつつ、
字幕に表示される日本語字幕の歌詞も
意味があるようで意味がないような言葉が続き、
「ストップ・メイキング・センス(意味づけをやめよ)」のタイトル通りの
89分の映像体験でした。
体力が必要そうな
(編集はされているでしょうけど)
デビット・バーン以外のステージパフォーマンス、
唐突に始まるトムトムクラブパート、
コーラス女性がノーブラなのに気付く4Kレストア効果(?)など
89分飽きることのないIMAXレーザー/GTテクノロジーで
「自由」な気分を堪能できた映画でした。
とてもいい
近くのイオンにIMAXシアターが去年の7月にできて大喜びしたのだけど、見たい映画が全くなく年が明けて初めて見た。としまえんのIMAXシアターは2回行ったことがあって、各々のシートにスピーカーが設置してあり、すごかった。イオンのIMAXはそこまでではなかったけど画面がきれいで音響も素晴らしい。また何か見たい。
この映画はサントラは聴いていたのだけど映画自体を見たことがなかった。若いデイヴィッド・バーンがすごいパフォーマンスを見せる。曲もいい。
途中でトムトムクラブの出番があり、トーキング・ヘッズより先にトムトムクラブを聴いていたので、うわ!嬉しい!と思ったのだけど、見ているとすごくダサい。デイヴィッド・バーンのセンスがすごすぎるせいだと思うのだけど並ぶと格下感がすごい。ダサかわいくはあるのだけど、バニー・ウォーレルがこれではいかんと頑張ってステージを走り回って客をあおるが、それがまた痛々しい。絶対に別々でやるべきだ。いい曲いっぱいあるんだから、センスの塊のデイヴィッド・バーンと一緒にさえやらなければよかった。
トーキング・ヘッズの演奏を見ることができ、何の音か分からない不思議な音の正体がいろいろ分かる。音楽と演奏にすべて持って行かれるような幸福な感覚がある。
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