「色あせない、いやむしろ増している」ストップ・メイキング・センス SHさんの映画レビュー(感想・評価)
色あせない、いやむしろ増している
数多くのフィルムカメラで丁寧に撮影されていて、それが音響面とともにIMAXの質にまでブラッシュアップされているので、80年代前半の映像だとは思えないほどのクオリティでした。もとの映像を知っている人やファンにはたまらない作品なのでは。自分は、特にファンではなく、ある程度知っている(トム・トム・クラブを一度ぐらい聴いたことがある)ぐらいで、聞き慣れない曲もたくさんありましたが、すげーとかおもれーとという具合に結構楽しめました。
徐々に組み上がっていくような演出の出だし付近は相当引き込まれましたが、めっちゃ盛り上がっている雰囲気の中盤から後半は、曲への思い入れも希薄だったためか、なかなか入り込むことができませんでした。それでも色んなところで面白さを非常に感じたので最後まで集中はできた気はします。
映像は、フィルムメインだったためか、ちょっと的外れな絵や視野の狭さを感じるような絵が少し目について多少ストレスを感じたような・・・ただそれもしっかりフィルムを使っているという証明にもなっているのかなと、肯定的に捉えることもできました。あの盛り上がりやライブ感で、予想外の出来事がほとんどだったでしょうから、撮影する方も大変だったと思います。
最近、多額の金額で再結成を打診されたのにグループは断ったという旨の報道がなされていました。アルバムを出し切った今、技術など変わった今、もう一度曲目や演出など変えて違った形のトーキングヘッズを見たいと思う反面、パフォーマンスとかビジュアルを見るのが不安定だったり・・・トム・トム・クラブ的なノリはきついかもしれませんからねぇ