「岡本喜八が最後まで岡本喜八であった遺作」助太刀屋助六 村山章さんの映画レビュー(感想・評価)
岡本喜八が最後まで岡本喜八であった遺作
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岡本喜八がテレビドラマとして発表した作品を映画としてセルフリメイクした遺作。丁々発止の喜八節は感じられるし、昔ながらの喜劇、活劇の要素も楽しいのだが、往年の傑作群に比べると小粒な印象にはなる。それでも喜八タッチが好きでしょうがないという風情で演じる真田広之を見ていると、もう一本、準備していた企画が亡くなるまでに実現していれば、と考えても詮無いことを思ったりはする。
そしてラスト。「助太刀屋助六」のリメイクではあれど、突然パーッと景色が開けるような広がりのある展開は、馬借という言葉から『戦国野郎』を思い出させるだけでなく、『独立愚連隊』などの抜けの良さ、あらゆるしがらみから逃れて自由に生きたいという欲求が炸裂していて、最後まで岡本喜八は岡本喜八であったのだと嬉しくなった。こんなのファンにはマジでたまりませんよ。
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