「奇抜さに脱帽」スターダスト(2007) odeonzaさんの映画レビュー(感想・評価)
奇抜さに脱帽
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個々のエピソードについては北欧の童話やお伽噺でお馴染みのことなのだが全く展開が読めない奇抜さに圧倒されました、凄い映画です。ファンタジーではありますが所謂ディズニーものと違って毒気もありますのでせいぜいジュブナイルから上狙いなのでしょう。
「もののけ姫」の英語版脚本でも有名な原作者のニール・ゲイマンさんはSF・幻想・怪奇・ファンタジー系の文学賞を総なめにした鬼才ですから本作もいろいろな要素満載ですが、なまじプロットを知ると面白さが半減しますので未見の方は予備知識なしでの鑑賞をお勧めします。
本作の変っているのは主役が控えめで脇役が凄いことでしょう。デニーロに加えて往年の大スター、ピーター・オトゥールさんまで出演というのも贅沢ですね、特殊メークのなせるわざとはいえミシェル・ファイファーの化け振りは圧巻でした。
血脈の欺瞞性や老醜への恐怖心などを風刺しつつ貧富、境遇どころか種をも超えた敬愛を賛歌する寓話ならではの世界観がベースなのですが流れ星が妖精という発想は予想外、まして王位の宝石が引き寄せられたのも謎のまま、ファンタジーに寄せたかと思えば雷蓄電池を動力源にするスカイシップなどSF要素も登場。女装趣味の海賊キャプテン・シェークスピアは映画での脚色ですがデニーロさん向けに考えたのでしょう、二人が夜空に輝くラストも脚色、浪漫の王道ですね。そうかとおもえば王族の血が青いのはダジャレでしょう、「タイタニック」の名シーンのパクリやユニコーンと山羊の頭突き合いなど細かい遊びを散りばめる監督のサービス精神には脱帽です。
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