劇場公開日 2006年7月8日

「ホラー演出が素晴らしい映画。」サイレントヒル Arts0001さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0ホラー演出が素晴らしい映画。

2025年1月26日
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鑑賞方法:VOD

怖い

ゲームは未プレイです。
荒廃した街から、クリーチャー達の世界に切り替わる。世界が剥がれて行く表現と、恐怖が終わった後の世界が復元される表現が素晴らしい。

ただクリーチャーを出すだけではなくその演出も良い。クリーチャー出現前の世界では遺体だったものが動き出す様、ライトを向けると一斉に動き出す看護婦クリーチャーの群。

また、少女の霊絡みの演出が特に怖く、小さな穴から目だけか覗いたり、ずっと後ろ向きの看護婦がカメラ視点が切り替わると両目が潰れているなど見所。

世界観は閉鎖的な村社会がベースとなっており、人間の恐ろしさも感じながら、どこか物悲しい音楽もマッチしていて良かったです。

ラストは円満解決とならなかったところもホラーらしくて良い。最後まで現実と、サイレントヒルの世界が対比された構成になっているところもグッドです。

非常に残念なのが、母親の行動がいちいち馬鹿すぎてイライラするところ。

まず、サイレントヒルに行く理由が娘が眠ってる時にその名前を呼ぶから。
なのですが、それって心霊的な何かの存在を信じて調べに行くわけですよね?そこに女と子供一人で行くわけです。旦那に黙って。

霊的な存在を信じていなかったとしても、地元の人がまだ危険だと言っている廃墟に夜中に行こうとする。

警察に追いかけられたら全速力で逃げだして事故る。警察には子供のためと言い訳するが、警察から「子供が心配ならあんなに飛ばしたりしない」と普通のツッコミがはいる。

沢山のクリーチャーに追いかけ回され、酸のようなものを吐くクリーチャーに遭遇してなお、両手に手錠をされたまま、逃げ出して街の中をウロつく。結果警察官に助けられる。

最後、この警察官は巻き込まれて火炙りにされて死ぬ。

この人がいなければ物語は進まないものの少々強引だった感じがします。

それを差し引いても面白い作品でした。

Arts0001