「凝った娯楽映画。サラが素敵」スイミング・プール 雨音さんの映画レビュー(感想・評価)
凝った娯楽映画。サラが素敵
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色んな要素が織り込まれていて、シリアスそうに見えつつ、ユーモラスな場面もあり、見せ場もあちこちに作ってある。娯楽映画だとは思うけれど、凝っていて面白い。
全体の構造は、ストーリーが、二重の入れ子式になっていて、その境目はいまひとつハッキリしないようだ。観ているといつの間にかサラの創作である内側のストーリーに引き込まれている。終盤で、またいつの間にか外側に戻ってきている。これはサラのつくり話だよというヒントは与えてくれているようだけれど、いまひとつハッキリとはしない。そのため、色々な解釈が可能になってくると思うけれど、それは楽しめるポイントでもあり、粋だと思う。
サラは、冒頭では、いやな女だとな、こんなふうになりたくないものだ、と感じたけれど、終盤に近づく頃には大好きになってしまった。管理人の男を受け入れる場面では少し驚いたけれど、人間としても女としても優しさを感じさせて、それはそれでなかなかいい。
サラに限らずジュリーなどもそうだけれど、ステレオタイプの人物の登場で終わらせず、人間の中味の面白さや意外さに焦点を当てているところがいい。
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