SAYURIのレビュー・感想・評価
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芸術を感じる作品
吹替版で視聴。 日本の俳優は本人が吹替を担当している。 日本の戦前と前後に生きた女性の物語。 現代の価値観との違いを楽しめる。 登場人物それぞれ着こなし方に個性を出し、日本が舞台であるが「都」という架空の町の物語という形をとっている。 BGMがとても良かった。 修行のモンタージュも良かった。 "花魁"に扮する主人公さゆり(チャン・ツィイー)による劇中劇のシーンがあり驚いた。 相撲のシーンで、青森県出身の舞の海が出演している。 戦後の日本の描写も米兵が沢山いて良かった。 母親役の桃井かおりさんは経営者らしい貫禄が出ていたし、役所広司さんの感情的な人物も良かった。 渡辺謙さんは格好良かったし、工藤夕貴さんも出演していて嬉しい。 水の映像が多々あり、それがとても美しいのだが流れに身を任せる人生を感じた。 感動的なストーリー。
納得したいのにできない
まず、どうして日本にしてしまったのだろう? 舞台を仮想の日本的世界とするなら全然問題ない。 それをあえて日本の芸者としたから どうにも見ていて気になって仕方なかった。 時代や場所を限定するなら ちゃんと考証するのが当たり前じゃないかしら。 中国とか日本などのアジアいっしょくたにしちゃったねえ。 そんなのは他のハリウッド作品でもあるから 別に珍しい事じゃない。 他の作品はむしろ突っ込みつつ楽しめる。 しかしこの作品はなんだか腹がたってしまった。 それはやはり、日本人女優を起用しないのは英語を話せる踊れる女優がいないから、 などと 製作側がコメントしたせいだ。 そんなこと言っておいて出来上がったのがこれかよ…。 妙な日本語はオッケーなんだ? チャン・ツイィーの魅力を超える日本人女優は確かにそうそういないとは思う。 別にほかに中国人女優さんたちを起用したって 「われわれが求めてる役のイメージに沿っているから」でいいじゃん。 斬新な日本どころか日本ちゃうよ。 京都で撮影しておきながら 少しも関係者に取材しようとか思わなかったのか? 一冊でも原作以外に芸者や日本の歴史とかの本も見なかったのか? 「ほうら、エキゾチックジャパンでしょ?取り上げてあげたし。 自分ら他の文化もちゃんと理解あるでしょ?」ってろくに調べもしないで 傲慢にも言ってる感じて腹が立つ! 海外作品で日本を扱った他の作品でも感心するくらいの 「ラストサムライ」やら「太陽」やらあるよ! この映画には誠意を感じない。 そうはいってもプロデュースや監督レベルの話。 映像は色や切り取り方もきれいで、撮影や照明もいい仕事してる。 俳優さんたちもごっついがんばってると思う! 風俗云々は抜きにして実際女優さんがたは 慣れない着物でも日本語でも 誠意をもって仕事してくれてる。 音楽だっていい曲だよ。 だからこそそれを台無しにしてる トップの姿勢がもったいないやらむかつくやら。 細かいことを気にせずあらすじだけ見て納得すればいいと思いながら どうしてもできない。
サユリスト
日本文化や日本人の心、はなまちのしきたりなど、「ハリウッドが描いた日本なんて虚構の世界だ」と批判する日本人も多いのだろう。多分、監督もスタッフも出演者も皆十分に納得していたのでしょう。しかし、映画を観る日本の一般庶民にとっては、芸者の世界なんて夢のような世界。多少嘘があろうとも、おかまいなしなのです。所詮、ファンタジーの世界なのですから・・・ とりあえず予習のつもりでロブ・マーシャル監督の『シカゴ』を観直してから臨みました。もしかしたら共通点が見つかるんじゃないかと思ったのですが、同じ年代という時代設定の他にはカメラのフラッシュくらいだったでしょうか、音も映像もかなり似てましたよ(当たり前ですが)。また、主人公役(『シカゴ』ではゼルウィガー)の内面を表現するための陰と陽。コン・リーの存在も絡んできて、重厚さを増していたように思います。 この映画にはいくつものサプライズがありましたけど、まずは冒頭から日本語でのスタートです。「字幕版を選んだはずなのに・・・」といきなりのサプライズでした。そして相撲シーン。役所広司の言う「叩き込みが得意」だという小兵の登場です。舞の海を思い出しますが、やはり「八双飛び」や「猫だまし」といった独特の小技を紹介してもらいたかったような気もします。また、インタビュー番組にて工藤夕貴が「意地悪な役だから」と言ってたと思うのですが、全く意地悪じゃないんですよね。これもひとつのサプライズに繋がりました。 アジアは一つ、国際的な見方をしなければいけないと思いながらも、第二次大戦のシーンになってみると、「中国人女優たちはどういう思いで日本人を演じていたか」と考えてしまいました。それはおいといて、アジア人同士は仲良くしなければならないのでしょう。まぁ、何にせよチャン・ツィイーはアジアン・ビューティ、アジエンスなのですから・・・とにかく美しい。 蛇足:コン・リーはGong Li と表記することを初めて知りました。ゴンちゃんだったのね。 【2005年12月映画館にて】
映像美ですね
映像のセンスを観る作品です。ストーリーはそれなりですが、演出がドラマチックでない。 五社選手と比較すると、あちらは「強い女系」に演出、こちらは「翻弄される女系」に演出しているようで中途半端です。日本文化を何とか忠実に再現しようとする姿勢は評価しますが、やはりハリウッド的というかスピル選手好みの描き方で、ラストの回想シーンなんかシンドラー風。アメリカ人にはウケるでしょうね。 中国俳優に文句言う人多いみたいだけど、それは別によい。孫悟空を日本人が日本語でやるでしょ?
ツッコミどころの多い作品だが、私にとっては涙するほど感動した大切な映画
決してサクセスストーリーものという映画ではないけれど、 この映画を一言で表現するなら、良い意味?で語弊がある言い方かもしれないが、「 努力すれば夢は実現する」である。
外国人が日本人を演じたり、中国っぽい日本のセットだったりすることで違和感を感じて、低評価のコメントも多いが、私と同様に感動したコメントも結構あったのでほっとした。
女性役も男性が演じる歌舞伎や、オペラ「蝶々夫人」の蝶々を外国人女性が演じたりしても、何ら芸術性に支障がないのと同様、この映画もディテールの些細な瑕疵によって、作品の価値を損なうものではないと思う。私がチャン・ツイーの大ファンであるので、過大評価しているのかもしれないが。
同僚に非情な仕返しをされ、生きる希望を失って、山に登って大事なハンカチを捨てるシーンがあり、もしかしたら、自殺でもするのではないかと心配した。
だが、ラストの想定外の展開は素晴らしかった。渡辺謙の独白は嘘っぽいかもしれないが、ちょっと暗いストーリーの流れに、ようやく最後に一筋の光が射してきた。その光は私の琴線に触れ涙が溢れてきた。
<その他>
・姉はどうなった?
・sayuriの少女時代を演じた大後寿々花は現在も活躍しているが、少女時代の面影はない(悪い意味ではない)。
これやはっぱり、日本人じゃないと……
日本はやはり美しい、とは思える。 花街文化も面白かった。 しかし、英語の下手な日本人と、日本語の下手な(というか全く使えない)アジア人が集まって、英語と日本語が中~途半端なまま進むので、そっちにばかり気が取られてしまう……。 お母さん役が桃井で良かった。 あそこまで外国人がやってたら崩壊していた気が。 あの動作のこなれ具合は、日本人じゃなきゃ無理。 そして、大後寿々花ちゃん。 バルトの楽園でも目が青かったから、 本当にそういう子なのかと思っちゃった……。
ストーリーも映像も良いのに妙な部分があって気が散りがち。あえてそう...
ストーリーも映像も良いのに妙な部分があって気が散りがち。あえてそうしてる意図的なものかもしれないが。 英語だけのシーンも違和感。工藤夕貴は良かった。役所広司、桃井かおりも。
資料にしてもいい
芸者という文化や衣装、セットも資料として観れるレベルだと思う。 役者が外人でというレビューもあるが あくまでも映画という視点で見れば気にならない。 ストーリーも芸者だけに注力するのではなく、 歴史的背景も合わさり深みが増している。
ちょっと・・・
チャン・ツィー主演ということで見た。外国人から見た芸者映画。ハッピーエンドのようであるが、芸者に人権がない設定からして、決して幸せではない。渡辺 謙は10歳程の千代を見てから彼女をずっと女としてみているようなのだが、これはいかがなものか。見終わった後もやもや感が残る。ただ、大後の演技は良い。この映画の見所はそこのみ。
日本に対する理解のなさ
主人公の女性が中国人なんですが、感情的なシーンになると大陸育ち丸出しになります。 全くもって日本のわびさびみたいなものを理解してもらえてないと感じました。 ということで途中で寝ました。
決して嫌いな作品とか駄作とか思わないけど…
中国人俳優が日本人を演じて英語の台詞を喋る。日本人俳優も日本人を演じて英語を喋る。 なんとも奇妙な感じや無国籍ムード漂う。 一種のファンタジーとして見るのが正解。 物語は非常にドラマチックで映画向き。(全米ベストセラー小説の映画化) 「シカゴ」のオスカースタッフと、スピルバーグ組のベテランスタッフがタッグし、贅沢。 でも、日本で日本のベテラン監督(五社英雄とか市川崑とか)が撮ったら、なかなかな文芸作品になってたんだろうなぁ…と、つい思ってしまう。 この作品の映像化を熱望していたプロデューサーのスピルバーグにとって、本当に望む形で映像化されたのかな? 残念というより惜しい作品。
なんちゃってジャパン映画の終焉
数々の悲劇を乗り越え逞しく愛に生きた芸者・さゆりの生き様を描いた恋愛大河ドラマ 京都が舞台の芸妓さんの物語やのに、肝心のヒロインが香港女優ってどういう事なん!? 確かにベッピンさんやけど大和撫子には無理有り過ぎやろって一蹴したらハイ、それまでの映画である まあ、原作者が外人のおっさんやから、ジャパン観光の了見で描いたんでしょうね 一時期、ハリウッドが日本文化を舞台にした云わゆる《なんちゃってジャパン映画》が流行したのを覚えているだろうか? 『キル・ビル1』 『ロストイントランスレーション』 『ラストサムライ』etc.が挙げられる 今作はその決定版として大々的にキャンペーン展開され、MOVIX清水で観たが、案の定、ダメやった… 世界観が、まるっきり掴めない 特に不可解やったのは会話のやり取り ハリウッド映画やから全編英語かと思いきや、所々日本語を話し出す 顧客も町人も普通に日本語で会話している ツィー嬢もたまに日本語で挨拶 「こんばんは」 「ありがとう」etc. あっ、日本語喋ってるやんって思ったら再び英語に戻る 言語設定が中途半端やから入り込めるワケが無い なぜ英語か日本語かに統一しなかったのだろうか? 更に後半には米軍将校が登場 サユリ嬢は何の隔たりも無く出逢って、いきなり英語で意気投合するから、ますます混乱を招いた 戦時中、ずっと京都の山中に疎開していたのに、彼女は一体いつ英会話をマスターしたのだろう? 昭和20年にスピードラーニング聴いてたんか?! 米倉涼子の先祖か、御前は!? その他、女子禁制の歌舞伎座で思いっ切りダンスするなど矛盾点はキリがない が、ツッコむ気力も失せる大作である いつもは短歌ですが代わりに謎かけを一席 『SAYURIのチャン・ツィーとかけまして、ぼよよ〜〜ん!でお馴染み太平さゆりととく そのこころは どちらのさゆりも旦那で苦労しています』 m(_ _)m
思ったより…
劇場予告にて
観たいなぁ…と思い
見逃し・忘れて・時が過ぎ…
ようやく手にするまで
はや七年…(^_^;)
内容は もう少し
込み入っているイメージ
があったけれど
意外にすんなりと
入っていけたから
ホッとしました。。。
俺なんか、俺なんか、
あんな流し目されちまったら
もう…俺なんか。。。
でも
桃井かおり…
さすがな演技が光ります。
渡辺謙…
「ラスト・○ム○イ」
よりカッコいい。
まさか 「舞の○」が
チョイ役で…。
女性の魅力を
思い知らされた(^_^;)
良かったら 是非!
ある種のファンタジー
監督が歴史に忠実にするのではなくて、ある種のファンタジーとして撮ると言ってたわけで、これはそう割り切って観るのが正解かと。それゆえに、たとえ主人公を演じているのが中国人でセリフは英語という状態でも、さして気にならなかった。いわゆる「トンデモ映画」にはなってないと思う。 原作はアメリカ人が書いたとは思えないほどに、花柳界や京文化の仔細が記述されていて舌を巻いた。その上に女同士のいさかいやさゆりの愛と成長が描かれてる。映画も基本的に原作に忠実で、重要なエピソードもそつなくまとまっていると思いました。 主人公が日本人じゃないということが不満な人もいるかもですが、やはりこれを観てしまえばチャン・ツィイーにかなう同世代の日本人女優がいるとは思えない。 とはいえ、さゆりの少女時代を演じた大後寿々花はかなりスゴイのではと思ったので、彼女の将来に期待。
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