「地獄の底から這い上がるための、希望。」ソウ 阿久津竜斗さんの映画レビュー(感想・評価)
地獄の底から這い上がるための、希望。
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『ソウX』を観ようと思い、今さら一作目から見始めた者です。
今作は二人の男が監禁され、そこから脱出を目指す物語なのですが、良さは単なる「脱出もの」では済まされないのです。
ゴードンが持つ情報から様々な謎が明らかになっていき、ラストには衝撃的な展開が待ち受けています。
スピーディーに物語が進んでいくので、それなりに情報量が多いのは、今作が自然と惹きつけられる理由なのかもしれません。
ところで自分は「閉鎖された空間からの脱出」モノが堪らなく好きです。
映画で例を挙げると、今作の『ソウ』、『ショーシャンクの空に』、『アルカトラズからの脱出』、『28日後…』などですね。
なぜこれらの作品にとてつもない魅力を感じるのか──個人的には、「地獄の中でこそ味わえる希望があるから」だと思うのです。
例えばこの『ソウ』は、主人公が狭い部屋に監禁されて、足は鎖で繋がれています。そんな地獄のような状態から微かな希望を見いだして、必死に脱出を試みるのです。とてつもない不運の中で、絶望に押しつぶされそうになっているのに、彼らは諦めない。すがるように「生きたい」と願います。
そんな彼らの姿に我々は共感し、現実でも「縋るように、必死に生きよう」となるのだと思います。
なんだか人生について語るようなレビューになりましたが、まぁ今作はとてつもなく面白かったということで、ひとまず──幕。
「敵に勝つには敵の力を認めること、それが大切だ」
───ローレンス・ゴードン
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