「重い病と、生きることへの想い」ソウ くまのさんの映画レビュー(感想・評価)
重い病と、生きることへの想い
友達のオススメで観てみました。タイトルは知っているものの未視聴。サスペンスは好きなのにナゼ食指が働かないかと思い考えると、
そういえばCUBEも見たことがないし…と、本能的に密室系を避けているんだとすぐに答えに至りました。自分はインドア派のおうち大好きな人間なので、密室のコワイ系は、ふとした時にあとで考えちゃう怖さがあることを恐れてるんだと腑に落ちました。
というわけで、
密室系は初めて?かも。
初めてなので、比較できる作品が思い浮かばないのですが、密室系ではこちらの作品は群を抜いていると感じます。
リミットと閉塞による焦燥感、大切な家族の安否を知る術を奪われる、それによる恐怖と狂乱……コワイ、ドキドキ、ゾワゾワ感は素晴らしいです。映画が始まってすぐに、そのエンターテイメント性に引き込まれて、最後までゾワゾワしていました。
ツッコミたい箇所は所々ありましたが野暮なことは置いときまして。
1番のやりたいこと(観客をどう楽しませたいか)は、観る者をいかにゾクゾクゾワゾワさせるか、だと思うのですが、
この作品はそこだけに留まらずにきちんとテーマがある。病への悲しみと憎悪、生きることへの渇望=いまある幸せを当たり前と思わずに、もっと真摯に真面目に生きなさい、と。
やりたいことも、テーマも分かりやすい。
不穏なかんじは、ゼップくんが登場したことで察し。あの役者さんの存在感…!そのインパクト大のゼップくんが紹介する、手の施しようがない患者さんの意味深さ。
個人的には、ストーリーを理解しても、ゾワゾワ感パラメータの方が強すぎて、なかなかストーリーを飲み込むことが難しかったです(^_^;)
あとから考えると、あぁよく出来てるなと。
好みではないけど(密室コワイです笑)シリーズ化されるだけあると納得。良質な作品、素晴らしい構成です。