「映画史上に残る、法廷サスペンスの傑作だ。」情婦 瀬戸口仁さんの映画レビュー(感想・評価)
映画史上に残る、法廷サスペンスの傑作だ。
老弁護士ウィルフリッド卿は、未亡人殺しの容疑者レナードを担当する。彼の妻でドイツ人のクリスチーネは、検察側の証人として、レナードに不利な証言をする、、、。
夫を守るはずの妻による、不可解で崩しようが無い証言。その先に、とんでもない仕掛け、大きな裏切り、衝撃的な結末が待っている。『検察側の証人』の映画化だが、アガサ・クリスティ作品の映画化の中でも、最高傑作の1つだ。
悪女を演じたマレーネ・ディートリヒ、弁護士役チャールズ・ロートン、レナード役タイロン・パワーと、登場人物も実に魅力的。同種のジャンルを決定づけたような、映画史上に残る法廷スリラーだ。
ビリー・ワイルダー監督が、ユーモアとウィットを考慮して翻案し、巧みな筋書きと明快な会話で、実に分かりやすく、退屈することなく描き切った、法廷サスペンスの傑作だ。
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