「奇天烈小百科」自由の幻想 梨剥く侍さんの映画レビュー(感想・評価)
奇天烈小百科
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奇天烈なエピソードを融通無碍につないでいくブニュエル真骨頂の作品。前の話の脇役やチョイ役が次の話を牽引したり、読んでいる本の内容や語っている話の中身だったりして、物語はあてどもなくさまよっていく。
各々のエピソードはおよそ他愛もないものだが、名だたる俳優たちが律儀につきあっている。ミシェル・ロンズデールは尻を出さされているし。ビルの高層階から無差別に銃撃する男のエピソードは、テキサスタワー乱射事件を彷彿させる。後期のブニュエルの映画にはかなりテロリズムが影を落としているが、当時の時代背景と関連があるのだろうか。
ブニュエルの作品で一番好きなのは「ブルジョワジーの秘かな愉しみ」だけど、この映画も同じく原作なしのジャン=クロード・カリエールとの共同脚本で、奔放なイマジネーションが汲めど尽きないようだ。
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