十二人の怒れる男のレビュー・感想・評価
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裁判員裁判。これを教科書に
午前十時の映画祭にて観賞しました。
白黒映画ですが、まるでカラーのようなストーリーの鮮やかさ。
ラストの、すべてが終わったあと、また一人一人が名前を持ったいつもの生活にもどって行く姿が好きです。
なんというか、大人ってかっこいい…と思いました。
今、改めて日本人が観るべき名作
日本でも来年2009年の5月までに開始予定となっていよいよ現実味を帯びてきた陪審員制度。
と思っていたら、日本で導入されるのは陪審員制度ではなくて裁判員制度だとか。
「陪審員制度と裁判員制度って何が違うんだろ?」と思って調べてみたところ、
“陪審員は有罪か無罪かまでしか判断しない”のに対して、
“裁判員はその量刑(懲役○○年とか)までの判断に踏み込む”
のだそうです。
へぇ~。一つ勉強になりました。
※他サイトより転載(投稿日:2008/03/20)
恥ずかしながらこれも今まで知らなかったんですが、日本では昭和初期にも一度導入されていたそうですね。
こんな風に映画をきっかけに色々と勉強するきっかけになるのはありがたいコトです。感謝感謝。
で、本作。
実は先に三谷幸喜の「12人の優しい日本人」の方を観ていて、そこからこちらに辿り着いた経緯があったのですが
さすがは本家。文句なしにおもしろかったです。
舞台の芝居を観ているかのように、場面のほとんどが一室のみで繰り広げられる陪審員同士の白熱した討論。
三谷版を観たときは「古畑任三朗」や「ラジオの時間」などでお得意のシチュエーションコメディ(?)かと思いましたが
50年以上前のモノクロ画面の時代からこんなに凄い本家があったんですね。法廷劇の代名詞というのも納得です。
多くの人と対等の立場で本気で意見を闘わせ、1つ1つ問題点を洗い出していく姿はまさに痛快。
移り変わりのない単調な画面の中でも次から次へと新たな展開が用意されていて
最初から最後まで食い入るように見入ってしまいました。
そして同時に改めて思い知った「陪審員制度」の怖い一面。
見ず知らずの人の人生がこの密室に集まった人数が決めてしまうという恐ろしさ。
一人の思い込みや勘違い、個人的な趣味趣向、差別、こだわり…そして悪意。
絶対にないとも言い切れないだけに恐ろしいです。
「それでも僕はやってない」を観て色々感じた人も多いと思いますが
こちらの作品も、今この時期だからこそ日本人が観ておくべき名作だと思います。
それと、
本作を観て、改めて「12人の優しい日本人」の良さが実感できました。
この社会派の作品をモチーフにして、柔かいテイストで見事に仕上げられているエンターテイメント作。
こちらもおすすめです。
※他サイトより転載(投稿日:2008/03/20)
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