「途中で止めるのは難しい」フォーン・ブース ノリミッチーさんの映画レビュー(感想・評価)
途中で止めるのは難しい
面白いですが、すぐに忘れそうです。
元より密室劇は好きで、『あり得るかも知れない状況に、自分ならどうする』と、疑似体験出来る事に醍醐味を覚えます。
この作品も、限られた空間で織り成す緊張感が上手く表現されており、没頭出来ました。
コリン・ファレルのダメっぷりも良く、憎まれ役の二枚目という難しいところを見事に演じており、先の見えない展開に釘付けでした。
しかし、改めて振り返ると、どう面白かったのか説明しづらいです。
考えてみたら、この作品、私達に現実味の無い話なんですよね。
今の日本において、電話ボックスに幽閉されて、スナイパーに狙われる状況って…まず考えられないです。
だから、この話が遠い絵空事に感じてしまい、劇中の野次馬達と同じ目線で見ていた様な気がします。
『見ている時はハラハラするけど、所詮は他人事、時間の経過と供に忘れてしまう』
まさしくこんな気分です。
その気分を敢えて狙って、現代人の無関心や無責任を揶揄しているとすれば、テクニカルな作りかと思いますが…
どうなんでしょう。
鑑賞者の受け取り方一つですかね。
それでも、約90分楽しませてくれる事には変わりないです。
人だかりがあったら、覗かずにはいられない方にオススメです。
コメントする