「悲しき15年間」オールド・ボーイ(2003) Natsukiさんの映画レビュー(感想・評価)
悲しき15年間
【ヴァイオリン協奏曲集「四季」作品8 第4番「冬」ヘ短調 RV.297 第1楽章:アレグロ・ノン・モルト 】 /ヴィヴァルディ
この作品で大好きになったクラシックの名曲です
クラシックでこんなにも【カッコイイ】と思えたのは
後にも先にもコノ楽曲だけです
長い曲ではナイんですが と・て・つ・も・な・く【現代的】で
イントロも素晴らしければ アウトロも超~カッコイイ
もちろんヴィヴァルディのCDを買って 今も聴きまくってます
この映画はタランティーノの猛烈なプッシュにより
カンヌで【審査員特別グランプリ】を獲得しました
それを聞いて分かるでしょうが かなりバイオレンスな作品です
主人公は冒頭いきなり何者かによって拉致され監禁されます
15年も・・・
ホテルの1室の様な監禁部屋にはテレビが1台ある
つまり自由にテレビは観れる監禁生活
15年もの長い間1歩も外に出れないんですが
テレビで外の世界のコトは全て分かるんです
これは テレビやインターネットの画面からの情報を頼りに
生活している我々現代人への皮肉だろう
主人公は15年かけて『ショーシャンク~』や『大脱走』の様に
壁を掘り続け脱出する
その 壁を掘り続ける場面が特に素晴らしい
デ・パルマやタランティーノばりに
【掘り続ける主人公】と【実際のニュース映像】を
2画面のスプリットスクリーンで同時に見せる!!
目まぐるしく映し出されるニュース映像で
15年の【時の流れ】をも表現している
このシーンを観た瞬間に僕は歓声を上げた
パク・チャヌク監督は世界に通用するズバ抜けたセンスを持った
映画を【分かっている】人である
ココまでのシーンでやっと映画の5分の1くらいでしょうか・・・
こんな【ハイセンス】なクオリティでラストまで突っ走ります
ラストのユ・ジテがエレベーターで○○するシーンの編集とカメラアングルや
タイミングは もはや神の領域です
この作品は ヴィヴァルディの楽曲と同様に永遠に色褪せない
【カッコ良さ】と【輝き】を放ち続けるでしょう