「美しい王道のLOVE STORYです!」きみに読む物語 ノブさんの映画レビュー(感想・評価)
美しい王道のLOVE STORYです!
上映中の何か良さげな映画はないかなと物色中、2005年の再上映という今作に出会いました。
採点が高く、泣けるラブストーリーということ、しかも今日で上映終了ということで急遽見に行ってきました。
監督はジョン・カサヴェテスとジーナ・ローランズの息子、ニック・カサヴェテスが務めています。
なるほど、映像が美しく、王道のラブストーリーでした。
こんな映画があったなんて全然知りませんでした。
ストーリーは、療養施設で年老いた女性(ジーナ・ローランズ)に物語を聞かせる老人(ジェームズ・ガーナー)という形で、その物語が映像として映しだされていきます。
裕福な女性アリー(レイチェル・マクアダムス)と貧しい青年ノア(ライアン・ゴズリング)の出会い、そして急速に距離を縮める二人の恋。
当然ながらアリーの両親はノアをアリーの相手としてふさわしくないと判断する。
そしてアリーの大学進学に伴い、二人は離れ離れになる。
戦争を経て、故郷に戻ったノアはアリーに宣言したとおり古い屋敷の改修に没頭する。
一方アリーはボランティアをしていた病院で裕福な弁護士ロンと出会い恋に落ちる。
結婚を前に、偶然新聞でノアのことを目にした彼女は過去を清算するためにノアの元を訪れる。
そして昔の恋が再燃するのだった。。。
果たしてアリーはノアを選ぶのかロンを選ぶのか…
途中、何度か現在の療養施設で読み聞かせている場面に戻るのだが、女性が認知症であるということがわかり、結末はある程度予測できます。
そして二人にとって幸せなハッピーエンドを迎えることとなります。
ただ、ここから少し不満な点を書かせてもらうと、みんないい人なんです。
ノアの父親(サム・シェパード)は息子思いでアリーを認めてくれる良い父親であるのはいいとして、アリーの両親も決して憎たらしい毒親ではなく、母親(ジョアン・アレン)もノアからの365通の手紙を隠しはしたけれど、焼かずにとっておいてくれたし、本当にアリーのことを心配する普通の両親として描かれています。
アリーの母がかつて駆け落ちした男が肉体労働してる姿をアリーと物陰から見つめる印象的なシーンがあります。
結局ノアからの手紙をすべてアリーに渡し、娘の選択に任せる理解のある母親。
ノアの恋敵ロンも決して嫌な奴には描かれず、アリーのことを本当に愛する紳士として描かれています。なのでアリーに振り回され男として同情を禁じ得ないが、彼は裕福なのでいくらでも素敵な出会いが待っていることだろう。
そしてノアも当然ながら紳士で、誰一人暴力的だったり憎たらしい利己的な嫌な奴が出てこないのです。
そしてハッピーエンドな結末。
美しい、あまりに美しすぎる。そこがこの映画の良きところでもあり、映画としての面白みに欠く点でもあると言える。難しいものですね。
療養施設にお見舞いに来た多くの子供や孫の姿から、二人が幸せな家庭を築いたことがわかるのですが、生活の苦労はなかったのだろうか。
裕福ではないノアを選んだことによる生活の苦労が何一つ描かれていないので、その点がおっさんにはリアリティーに欠けると感じました。
共感・コメントありがとうございます。
描かれていない部分はそこを描くと長くなりますし。
月曜NHKBSにてMY生涯ベスト1のアランドロン主演「サムライ」が放映されます。未見でしたら是非ご覧下さい。
レビュー後半、同感です!あのお家をきれいにしてからノアは何の仕事をしたんだろう?最終的に妻は裕福でなければ入れないような施設で、素敵なスーツを着ている。そこまでの過程がすっ飛んでいたので夢物語なんだなあと思いました