「誰にも知られない命」誰も知らない ke_yoさんの映画レビュー(感想・評価)
誰にも知られない命
当時、すごく話題になったのに何だか怖くて観ることができなかった作品。
世の中に“無戸籍の子どもたち”がたくさんいることを知らしめるキッカケともなった。
無戸籍の子どもはやがて大人になり、戸籍がないが故に様々な社会の仕組みから取り残され、もしかしたらまたこのような家族を生み出すのかもしれない。
モデルとなった巣鴨の子ども置き去り事件の母親は、どんな生育環境でこのような無責任な大人になったのか。そしてまた父親たち男性も同じく、女性性に快楽の後始末をさせ、素知らぬ顔で生きていくこと。
誰にも知られず、気にも留められず、周りにたくさん大人はいたのに、手を差し伸べる人、本気でこの異常さに向き合う人のいなかった不幸。
にも関わらず、悲惨さを感じない淡々とした、優しい光と静かな作風が、逆にものすごく恐ろしい。
段々と薄汚れていく姿、明らかに栄養の足りない粗末な食事、不衛生な部屋、全てが悲しくて、大人の1人として私には何ができるのか、しかと考えよと言われているような気持ちになりました。
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