モンスター(2003)のレビュー・感想・評価
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圧倒される
一番凄いのはやはりシャーリーズ・セロン。彼女を超えるアカデミー主演女優賞受賞作は今のところ観れてない。それほど、連続殺人鬼アイリーンを演じた彼女の熱演は心に突き刺さる凄まじいものがあった。そしてアイリーンを「モンスター」にまでさせたとも言える恋人セルビーを演じたクリスティーナ・リッチも負けないくらいの存在感。個人的に助演女優賞は彼女にあげてもよかったのでは?とも思う。シャーリーズがオスカーのスピーチで「クリスティーナ、あなたなしではこの映画はできなかった」と賞賛する姿も感動的。
BTのサウンドトラックもおそろしくこの映画にあっていて、素晴らしさをを引き立てる。ラスト、アイリーンとセルビーが向き合う法廷でのシーンは映画史に残ると思う。
衝撃と感動で、見た後は「エラいものを観てしまった」と思った。
あと、「なぜ、愛を知ってしまったのだろう」というキャッチコピーがまた秀逸。
シャーリーズ、クリスティーナ
綺麗な女もカッコいい男も出てこない珍しいハリウッド映画。クリスティーナリッチもシャーリーズセロンもタプタプして素晴らしい。背の高いセロンと低いリッチのバランス。凄い美人がわざと醜い女を演じる崩れた感じが素晴らしい。まるでボロボロの白人になったマイケルのようにフリークな感じ。俳優は素晴らしいし、アイリーンの物語も素晴らしいのだけれど、画が弱くて勿体無い感じ。ちゃんとした奴が監督すれば、きっとホワイトトラッシュの最深部をえぐる傑作になったはず
なぜか同情してしまう
実際の凶悪連続殺人事件を元に作られた作品
しかし、連続殺人を犯す背景に
見え隠れするのは、とても複雑な過去で
彼女を悪魔にしてしまった事柄もとても
リアルに描かれており、えぐい
正直被害者遺族には、申し訳ないが
犯人に同情してしまう、それは
シャーリーズ・セロンの真に迫る演技や
悪魔に変えてしまった生活環境のリアルな
再現
そして、こうした、背景には彼女だけでなく
どんな人でも悪魔になり得るという暗示
考えさせられる作品でした
最後まで救われない
シャーリーズセロンがすごい!とこの映画は評判ですが、やっと見ることができました。聞いていた通り素晴らしかったです。
顔は特殊メイク、体重も増やしてこの役に備えたというだけあり、見事に醜い女になりきっていました。
しみだらけの顔に深く刻まれた法令線。落ち着きがなく、品の無い態度、言葉遣い。本当にすごいです。
主人公のアイリーンが犯したことは決して許されないことであり、彼女という人物に与えられた罰は相応のものであったと思います。が、この映画を見ているとアイリーンをただの「悪人」とは思えなくなってしまいます。
彼女の人生、何かひとつ変わっていたら彼女はこうはならなかったのでしょう。それは彼女でなくとも、他の犯罪者もそうなのでしょうが。出逢う人間、かけられる言葉、ささいなことで彼女は「悪人」にならずにすんだだろうと思い、同情や共感を覚えます。
それは彼女が一心にセルビーに愛を注ごうとしたところや、弱い部分をみせまいと笑ってみせるところ、そういう部分が印象的に描かれているからだと思います。
きっと変わりたかったけれど、変わるタイミングを逃し過ぎた。もう戻れないほど突き進み過ぎてしまったのだと思います。
最後の最後まで救われませんが、清々しすぎる彼女の表情に胸が痛み、「結局人の人生や愛って何なんだろう」と考えさせられました。
しんどい、、、
観ていてしんどくなってくる、、、
愛する人を守るために、人を殺す。悪いことだと分かっているけど、しょうがないと自分に言い聞かせ、苦しみながら。とにかく、愛する人に、自分を理解してほしい、愛してほしいと願う。壮絶な人生を送りながら、初めて人を愛し、人生の喜びを知った主人公の、悲しい最期。でもラストシーンで振り返るリーの表情は、カッコ良ささえ感じさせる。自分の生を貫ききった、すがすがしさを感じる。
共感は全くできないし、とにかく観ていて苦しいけど、とても惹きつけられた。愛とは何か、悪とは何か、考えさせられた。
シャリーズセロンの演技が圧巻!!
圧巻!
実際の連続殺人を基に作られているが、それ以上にとてつもない、エネルギーを感じる映画でした。
人が生きていく中で、必要な物は何なのか?
現代を生きている全ての人に問いかけてくる作品でした。
メッセージ性の強い作品で、考えさせられる映画でした。
最高のラブストーリー
心を揺さぶる力のある作品。
ハイウェイの高架下にしゃがみ込む娼婦の象徴的な画が物語のはじまりとおわりにある。
ここまで全編に一切の迷いなく強靭なまでに主張を持った作品は稀だと思う。主人公に悲劇を悲劇として語らせない潔さがテンポを生み、人が人を裁く、そのドラマもすっ飛ばし、ただ人が人を愛することを描き切っている。
ローラースケート場でジャーニーのDon't Stop Believin'が流れ二人でキスする素晴らしいシーンが序盤にある。それがある種の宣誓のようでもあり、この映画の主題を暗示している。
迫真の演技の力作
総合:90点
ストーリー: 85
キャスト: 100
演出: 85
ビジュアル: 70
音楽: 70
美人女優が今まで築いてきた自分の評判を失墜させかねないこれほどの役をやるのは、並大抵の覚悟ではないだろう。実際に大きな肉体改造をして作品に挑んだアイリーン役のシャーリーズ・セロンはまるで別人になっている。見た目だけではない。言葉づかいも振る舞いもまるで本物の迫力。幼いころから家族も含めた周囲のみんなに騙され裏切られ続け、誰も信じることが出来ず頼るものがないままに地の底で孤独に生き抜いてきた女がここにいた。免許もないのに動物好きだから獣医になれると思いつき、秘書の面接に履歴書も持たずに出かけるような彼女をみて、いかに悲惨な生活をしていたかがわかり哀れみを誘う。ウィキペディアによると、作中に語られる彼女の経歴は実際の経歴とは違うようだが、それにしても悲惨さという意味では似たり寄ったりのものだろう。
そんな女がただ一つ信じらる愛情が出てきたとき、本当に彼女はそのために短絡的になんでもするだろうということがよくわかる。残念ながら彼女は自分の大切なものを守る力も正しい道を知る術もなかった。その生き様が手に取るようにわかるし、それは女優の演技力によるところが非常に大きい。
セロンの圧倒的演技に隠れがちだが、セルビーを演じたクリスティーナ・リッチも素晴らしい。同性愛者ということで虐められ故郷に居場所がないけれど、何事にも控えめで特に能力もない彼女が自分の幸せを求めるときに唯一出来るのは、誰かに頼ること。保護者なしでは生きることが出来ない彼女は、自分でしたいことは自分でする力もなく、流されて生きる弱さをさらけ出す。彼女は彼女なりの小さな幸せを望んだだけ。だからまだあどけない彼女を手にして小さな幸せを知れば、彼女を守りたくなりもう手放したくなくなるのだろう。犯罪者の傍らにいる役という意味で共通点もある「バッファロー'66」に出ていた時と随分と体型も雰囲気も違っていて最初は誰なのかわからなかったが、彼女の演技が作品の両輪として機能している。
この二人の演技がとにかく作品を魅力的にしているのだが、同時にこれは社会の暗部を見せた社会派作品である。格差が激しく貧困層が多いアメリカは誰も頼る人がいない似たような境遇の人は多いだろうし、格差の広がる日本の将来像を示しているようにも感じる。「フローズン・リバー」や「ツォツィ」と並んで、貧困に苦しみ社会から見捨てられ犯罪に手を染める人々の生活を見事に抉り出している。
実際の事件を基にした映画ということだが、ウィキペディアによるとアイリーンはずっと若いころからたくさんの犯罪を重ねている人物のようで、彼女が社会の歪が生んだ被害者ともとれる映画の内容とは異なる部分もある。ディスカバリー・チャンネルでも同じ邦題で番組が制作されていて、やはり彼女の素行は悪かったがその反面悲惨な家庭環境があって、家出をして一人生活するために荒れた生活になったのはやはり事実のようだ。それでも彼女は恋人に愛情を示し、彼女のために自己犠牲となる行動をしていて、生まれついての怪物ともとれない。真実の彼女がいったいどうだったのかはわからない。しかしたとえ実際の人物像がどうであったとしても、映画としてはとても良く出来ている。
リアルな恐怖…
2010/09/18 23:44
シャーリーズ・セロン凄いや…
迫力ある演技に圧倒されっぱなしでした。
物語も実話という事で一つ一つの出来事、自分とゎ全く違った環境で生きる彼女をもっと知りたいと思ってしまう。
1つの殺人がなぜ次の更に次の殺人に繋がってしまったのか…
もう自分でゎ止められなくなってしまったんだろうな。
しかし、セルビーに苛立たずにいられない…というか実名ゎネット上出てるしなぜこの映画でゎNGなんだ?
もっと彼女が相手をちゃんと理解していたら…愛するって事を間違っていなかったら…
*モンスター*なんて作品うまれなかっただろうな。
もちろんハッピーエンドなんてあり得ないし、結局結末ゎわかりきってる…
見終わってもリアルな恐怖が抜けなかった。
なかなかこんなインパクトがあって考えてしまう作品にゎ出会えないと思った。
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