モンスター(2003)のレビュー・感想・評価
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普通の生活に憧れた悲しい女性たちの話
現実を見せつけられる映画。
シャーリーズ・セロンの迫真の演技に魅せられる。
アイリーン( シャーリーズ・セロン)の悪の成敗に賛成してしまうが、セルビー (クリスティーナ・リッチ)との夢を追うことに執着して周りが見えなくなって暴走してまう。夢と言っても、二人で普通の生活をしたいだけ、という簡単なようで彼女たちにとっては、とてつもなく難しい目標なのであった。
アイリーンが最終的にセルビーに裏切られたような終わり方になるところは、考えさせられる。セルビーの葛藤を感じる。
自分を英雄だと思い違いしているアイリーンはモンスターなのか、それともセルビーを救った本当の英雄だったのか。
最高の演技が見れる犯罪伝記映画
ずっと見たかった映画。
シャーリーズ・セロンの演技が凄すぎた。
クリスティーナ・リッチの愛らしい残酷さも良い。
シリアルキラーの彼女に同情せざるを得ない。
セルビーの気持ちを考えると辛すぎて涙も出ない。
殺人鬼の愛だけが本物だった。
やりきれない。切なすぎて心が痛くなる。
私が裁判員として担当することになった裁判の被告としてこのリ―が現れたら、私はどうするのだろうか?
実際に会ったら「なんて身勝手な」と怒ってしまうのだろうな。
だのにセロンさんが演じるリ―を観ていると、少年法を適応したくなっちゃうよ。中年だけど。
歯をむき出して、怒った時は体を硬直させて脅す以外のコミュニケーションしかとれないリ―なのに、映画が進むにつれ、リ―が愛おしくて手を伸ばして抱きしめたくなる。殺されそうになった時の恐怖感。その後の攻撃は最大の防御というのも、うん、わかる。なのに愛しい人は理解してくれない。ああ。
そんな風に演じたセロンさん。脱帽。
ただ愛して愛してくれる人が欲しかった。”人”として遇して欲しかった。道具じゃなく。
それだけなのに。
リーとセルビーの恋愛だって、 ごっこ遊びにしか過ぎない。それすらも手に入らない。その違いもわからずに「本当の」と思いこむ。それほど飢えていた。愛を知らなかったリ―。
愛する人に認めてもらいたくって、自分をバカにした世間を観返したくって、自分を大きく見せようとホワイトカラーを望むリ―。学力が無くって事務ができないのを知られたくなくって、事務仕事をバカにして虚勢をはるリ―。そんなリ―をうすら笑う人々に囲まれていたら、本当に自分ができることに向き合えないよ。
今自分ができる最低限の努力を認めてくれる人に出会えていたら変われたのかもしれないのに。世間は世間の尺度を押しつける。当該人物に取って、そのハードルがどんなに高くても。
セルビーの方が悪女に見えたよ。
性的志向ゆえに、居場所をなくしているとはいえ。
ただ、一緒に遊ぶ友達が欲しかっただけ。一人は寂しい。リーと同じに孤独を知っているとはいえ。
自分のことしか考えていない。どこにでもいるバカな女。
やってもらうことしか考えない。そればっか。自分で動けよ。
「私は巻き込まれただけ、知らなかった」と被害者になっちゃうんだろうな。「稼いできてよ」それが何を意味するかなんて考えない。
残酷な10代。自分のやっていることの本当の意味・社会での位置づけが見えない。実際にことが起こってから恐れ慄くだけ。
セロンさんが整形して(歯並びを変えて)まで、プロデューサーもやってまで、やりたかった役。リ―の痛々しさが切なくて切なくて。
最後の犠牲者と最初に会っていたら人生変わっていたのかもしれないと思うとやりきれない。
冷たいことを言えば、このような生い立ちながら、しっかり人生を歩んでいる方は多い。何が違うのか。
セロンさんには自分を守ってくれるお母様がいた?
繰り返すけど、最後の犠牲者と最初に会っていたら?
人との出会いが人を変えるのだと信じたい。
タイトルなし
鑑賞前に主人公アイリーン・ウォーノスの事はネットで調べていたから、簡単な流れは知っている状態で鑑賞。
ネットで見た情報や映画で描かれている物を觀ると主人公が闇落ちしていく理由は解らなくもなかったが、それ以上に女恋人の方が驚くほど人任せで自分本位のヤバイ奴なのが驚いた。モデルになった人物が本当はどんな人物だったのだろうと主人公以上に気になってしまった。
無線のヘッドホンをして鑑賞していたのだが、恐らく1番の見せ場であるバス停での涙の別れのシーンで音声が途切れ途切れになってしまい台無しだった。
劇場公開時鑑賞。
全て個人の妄想の域を出ないが…、セロンは自由自在に顔が変えられたらいいのに、くらいは思っているではないかな。これだけなのは嫌、誰にでもなりたい、というか誰にでもなれるようでありたい、みたいな。
どこかでそうならないための選択はできただろうか。性別、容姿、家庭環境、年齢など自分ではどうしようもないことの咎は自分で負うべきなのだろうか。
誇大妄想
2022年2月24日が悲しい日になりました。この作品を観ながら、ふと、プーチンのことが思い出されました。実在したアイリーン・ウォーノス(シャーリーズ・セロン)は、どう考えても不幸な境遇で、同情の余地もなくはないのですが、思考回路に大きな問題がありますよね。いつか有名な女優になるとか、弁護士になって大邸宅を建てるとか…。楽観的なのはいいけど、楽天家はいけないと何かの本で読んだことがありますが、そういうレベルを遙かに超えて、とても危険で、実際にモンスター化してしまいます。「自分は被害者」、「防衛のための攻撃」という身勝手な理屈で自己完結していて、相手を受け入れる余力が完全に欠失してしまっています。その結末は悲劇にならざるを得ないという物語は、とてもリアルで見応えがありました。
久々の号泣!
体重を13キロも増やして体当たり演技で殺人鬼アイリーン役に臨んだC・セロン。同性愛のために家族から、社会から疎外感を感じている孤独な女性を演ずるC・リッチ。ともに演技は最高でした。説明調の前置きも少なく、実際の事件についても予備知識がほとんどないという状況においても、二人の演技(特に表情)が運命的な出会いを見事に演出していました。“娼婦”であることにたじろがず、職業への貴賎に対しては全く純粋なセルビーに心を開く様子。最初の殺人の後にセルビーを呼び出したシーンもよかった。堅気の職業に就こうとする彼女に対しても「そんな受け答えじゃダメだよ」とスクリーンに向かって叫びたくなったほどです。
セロンの演技は随所に光りました。特に印象的なのは第2の殺人を犯すときの表情です。金のため、女を買う男への憎しみ、“変態野郎!”と叫びたくなる心境、そして殺人が快楽へと変わる瞬間の殺人鬼特有の目に変化する過程なのです。一度人を殺すと、歯止めがきかなくなるということをも表現できていました。
ラストでの電話~法廷シーンも奥が深かったです。途中で、声のトーンを変えながらもセルビーは関係がないんだということを伝えたくなるほど機転が利く彼女。このくらい感性が鋭いもの持ってるんだから、堅気の商売でも通用したはずだ(決して生まれながらの落伍者なんていないということも伝わった)。その才能は、セルビーへの愛を貫いてセルビーに迷惑のかからないように自分一人で罪を償うことに注がれました。これほどまでにセルビーへの愛を信じて涙するアイリーンに対し、セルビーが徐々に甘えん坊みたいに演じ、最期には冷たく指差す行為も対照的に描かれていましたので、余計アイリーンに対して泣けてくるんですよね。
エンドロールに再度流れるジャーニーの“ドント・ストップ・ビリーヴィンDon'tStopBelievin'”がアイリーンの台詞に使われていることに感動し、また涙が溢れてきた。
【2004年10月映画館にて】
シャーリーズ・セロンが演じてるからこそ泣ける(のだと思う)
復讐するは我にありを見て出直せ
踏ん反り返るデニーロ的への字口でブス顔とする稀代の美人女優の演じてます感が都度物語への感情移入を削ぐ。
最悪の殺人鬼を糾弾するようで擁護する半端。
復讐するは我にあり、を見て出直せ。
実話を元に作られた映画
主演のシャーリズ・セロンの変わりようといい
クリスティーナリッチはアダムスファミリーの可愛さで止まっていたから、最初見た時分からなかったくらい
ラストのセルビーが指さしした時のアイリーンの悲しそうな顔が印象に残ってます
物凄く入り込んでしまう映画だから、時間をかけないと2度3度見れないかもしれない…
アメリカ史上初の女性連続殺人犯の実話。主演のシャリーズ・セロンは4...
アメリカ史上初の女性連続殺人犯の実話。主演のシャリーズ・セロンは40ドルの安い売春婦(殺人鬼)を演じる。バーで知り合った少女セルビーと惹かれあい関係を維持するために殺人を犯していく。
アカデミー賞主演女優賞を受賞
娼婦だって同じ人間だよ
実際にいた連続殺人鬼をモデルにした話。レイプされそうになったから殺しちゃって、そっから客としてひっかけた人を殺していって深みにはまってく女を描いた話。
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劇中に出てくるお母さんのように、私達は娼婦とかいわゆる水商売系の仕事をしてる人達を、その選択をしてしまった堕落者として見がち。だから客からも奴隷のような扱いをされたりする。
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でもその選択しかなかった人だっているんだよね。体を売るなんて誰もやりたくないことは普通。やりたくてやってるわけじゃない。
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女性の犯罪を描いた点では『ハスラーズ』と同じものを感じた。夜の世界から女性が抜け出して真っ当な仕事につくのがいかに難しいか。
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この役でシャーリーズ・セロンはめちゃくちゃ体重増やしたらしく、ほんとあのキレイな原形がまるでなかった。すごいねえ、太って眉毛なくすとみんなブスになるんだねぇ。
シャーリーズセロン渾身の演技!
シャーリーズセロンの渾身の演技が観れただけで満足でした。
暗い話だから2回目を観ようとは思わないけど、見応えのある作品でした。
とにかく、女優シャーリーズセロンをご堪能ください。
愛されたい、生きたい
後半は泣きながら見た。
ヘビーな内容で観た後にズンと心が重くなる。
セルビーとリーの微妙にズレた愛情が中盤から終わりにかけてギシギシ音を立てて不安を掻き立てられる。
レビューを観てからの観賞だったから何がモンスターだろうか?と考えながら観た。たぶん、愛する人のためなら誰だってモンスターになってしまうんだと思った。そこに置かれた環境の"選択肢"というやつがあって、ほとんどの人間は最善の選択をする。でもアイリーンには選択肢がなかったし、どんな最善があるかもわからなかった。それだけに最後の殺人が悲しすぎる。
悲しい殺人犯
この映画では彼女が連続殺人犯になる過程、罪を犯す理由について描かれている。
彼女は恋人と生活する為にまともな生活をしたかった。でも世間に受け入れられず、教養も無い彼女には結局娼婦の道しかなかった。たった一つ残された道でレイプされそうになり初めての殺人を犯す。
その後は金と車目当てで強盗するんだけど、セルビー…無邪気な振りして罪な女。お腹すいた!どこか行きたい!って…
愛する人を満足させたくて、でも他に方法を知らないから殺人となってしまう彼女の葛藤。思わず同情してしまう。
キャスティングした人この役をよく美しきシャーリーにやってもらおうと思ったなぁ。
あまりに哀しすぎる
ストーリー
もう序盤から結構ダメだった。というのも貧しい環境から娼婦という商売しか出来なくなった女性の生きる術がこういう形しか無かったというのが非常に現実味を帯びていたからである。就職しようと努力したもののああいう結果に陥ってしまう主人公の不器用さ非常識さ。
キャスト
シャーリーズセロンの映画ですよね。そりゃ見た目も凄いですよ、でもそこだけじゃなく仕草や目線ひとつひとつも作り込まれている。しかも断片に美しさが見えたりする。すごく不思議な人物となる。クリスティーナリッチも珍しくボーイッシュなかんじで、たぶん役作りでちょっと太ってるよね?ギプスで洗面台を叩くシーンでは、洗面台を壊し自身の腕にアザを作ってしまったらしい。
監督
女性監督だからオシャレで美しいものに仕上げまであるかと思っていたがそんなことはなかった。人工的なものは排除されより現実的で、実際にどこかにこんな女性がいてこんな人生があると思わされた。さらにこれは愛のために殺人を犯すという結構シンプルなストーリーだが、彼女の娼婦という仕事やバックグラウンドを映し出すことで作品に重みを与えた。彼女は娼婦を仕事の1つとして考えているし、彼女の性格も魅力として捉えている。だからこれほどに彼女の宿命が悲しい。
彼女たちはアイリーンの不幸な環境にも関わらず希望を持って生きたことを尊敬しているようだったし、同情している。シャーリーズセロンも自身がアイリーンになりきることで、彼女がその容姿によって受けた差別を思い知った。
「殺人も売春もしないという人たち。環境が変わればありえないことじゃない。自分は違うという傲りは愚かしい」
とことん胸糞悪い映画
とことん胸糞悪い映画。
セルビーに出会って生きる理由を見つけたリーの
ほぼ一方的な愛情に見せた彼女自身の"生きる意味"、
特に何事も無くレールの上を歩いてきて
娼婦のリーと出会い若さゆえのレールから外れたい一心のセルビー。
彼女達は愛情も無きにしも非ずだが、
互いに惹かれあっていたのは別の意味という、
なんとも救い用のない実話。
遊園地に行くシーンでセルビーがリーのように振舞っている場面は、
いかにセルビーがリーに向けて愛情では無く
"憧れ"を向けているかがわかる。
彼女達にとってこの出会いは全てが間違いだった。
連続殺人を犯した実在の女性をシャーリン・セロンがなりきる様、あとク...
連続殺人を犯した実在の女性をシャーリン・セロンがなりきる様、あとクリスティーナ・リッチもかわいくて、強く引き込まれました。
脚本やロケ地もいいが、やはりシャーリン・セロンの演技が演技に見えないところ、あと彼女は主演と同時に制作もやってるとこがすごい。
寂しい人になら年齢も性別も関係なくおすすめです。
全36件中、1~20件目を表示