「もう一度、自分を思い出す」メン・イン・ブラック2 中野祐治さんの映画レビュー(感想・評価)
もう一度、自分を思い出す
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『メン・イン・ブラック2』は、前作に続いて観るべき作品として自然と手に取りました。シリーズものには当たり外れもありますが、あの独特の世界観がどのように続編で展開されるのかに興味があり、期待と懐かしさを胸に再び画面の中の「黒服の男たち」と再会しました。
今作で特に印象に残ったのは、記憶を消されて一般人として生きていたKが再びエージェントとして復帰する場面です。公式の手続きに則って記憶を戻すという展開も面白いですが、Kの中に眠っていた感覚や使命感が少しずつ蘇ってくる様子が胸を打ちました。また、Jが成長した姿を見せながらも、Kとのコンビでこそ真の力を発揮するという描写も、シリーズならではの良さを感じさせます。
加えて、エイリアンたちのユニークな造形や、地球の中に存在する異世界的な空間など、視覚的な楽しさも健在でした。ベストセラー原作ならではの設定の奥深さが、ただのコメディに留まらず、世界観に厚みを与えていると感じました。
この映画を通してあらためて感じたのは、「もう一度、自分を思い出す」ことの大切さです。どんなに環境が変わっても、人の本質や使命感は内に眠っているものであり、ふとしたきっかけでそれは再び目覚める。私自身、事業を展開する中で迷いが生じた時、原点に立ち返ることの大切さを痛感してきました。忘れていたものを思い出す力。それを描いたこの映画は、SFというジャンルを超えて心に残る作品でした。
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