劇場公開日 2004年3月27日

「徒労感と倦怠感」殺人の追憶 P.Pさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0徒労感と倦怠感

2020年2月11日
iPhoneアプリから投稿

初期の北野誠作品を彷彿とさせる、淡々とした映像の中に醒めた激情が込められているような凄まじい映画だった。
観終わった後のこの胸のわだかまりは類を見ない。事件解決の糸口も見えない状態ではなく、指先が触れていてもう少しで手が届きそうな距離感だから、余計にやるせない気持ちになる。剥がせそうなシールがあるからずっとカリカリし続けて諦めてしまうような。使った時間や情熱が徒労に終わった時の倦怠感。
特にラストの終わり方は映画史に残るような素晴らしいものだとおもう。

P.P