メリンダとメリンダ : 映画評論・批評
2005年6月15日更新
2005年6月25日より恵比寿ガーデンシネマほかにてロードショー
結局、人生は見方によって喜劇にも悲劇にもなる
喜劇と悲劇、どちらが人生の真実か? うーん、同じ状況から始まっても、脚本によって喜劇にも悲劇にも転ぶんじゃない? ちょっとトライしてみようか、ヒロインは同じでストーリーは別々っていう映画。うふ、こういうの一度やりたかったんだよねー!と、ウッディ・アレンが言ったか定かではないが、今度の新作は、“メリンダ”という女性のあったかもしれない2つの物語。
医者の夫と離婚してニューヨークに戻ってきたメリンダ。ちょっとワケあり風の彼女が、「喜劇」では同じアパートに住む新進女性監督の、「悲劇」では高校時代の親友のホームパーティに、どちらも予告なしに現れて周囲はざわざわ。さて“2人のメリンダ”の運命は?
悲劇といっても、かつての「インテリア」とか「私の中のもうひとりの私」のように本気でシリアスなわけではなく、逆に喜劇でも“出戻りの異分子”としてのメリンダの孤独がにじむ。結局、人生は見方によって喜劇にも悲劇にもなる、大切なのはやっぱり愛、ということを、ちょっとひねって実験風に描いたのかも。メリンダが見つける新たなお相手がどちらも“ピアノ弾き”なのが、いかにもアレン。一粒で2度おいしい映画です。
(田畑裕美)