劇場公開日 2003年10月4日

「詐欺師が詐欺師に騙される→大どんでん返し!!」マッチスティック・メン 琥珀糖さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0詐欺師が詐欺師に騙される→大どんでん返し!!

2022年7月18日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

観て良かった。今まで観てなくて損をした・・・隠れた名作でした。
2003年(アメリカ)リドリー・スコット監督作品。原作:エリック・ガルシア。
主演の神経症的な詐欺師のロイはニコラス・ケイジ。
相棒のフランクは今や名優のサム・ロックウェル。

邸宅に住み詐欺師で儲けたロイは大金を貸金庫に預けている。
精神は不安定で潔癖症。
掃除が趣味で贅沢とも無縁の地味な生活をしている。
そのロイの日常を狂わす事件が起こる。
15年前に別れた元妻の子供が現れたのだ。
女の子で、14歳のアンジェラ(アリソン・ローマン)
過去を悔いてる孤独なロイはアンジェラに夢中になり、振り回されることに。

神経症的ロイの異常さに笑ったりうんざりしたりの冒頭30分。
この映画、「どんでん返し映画ベストテン」とか「名作サスペンス」に必ず入って来るんですよ。なんか詰まんないしやめよかなぁ・・・とか思いつつ観てました。

ロイが娘に手こずるのは、微笑ましくもあり危なっかしくもありで、その娘のアンジェラが、「ロイの仕事を手伝う・・・」と言い出して、仕事場に付いて来たことから、歯車が大きく狂い出します。
殺人や警察介入やら・・手のつけられない事態に!!
でも結果的には、ロイを騙す計画は組織的にして巧妙!!
原作・脚本。素晴らしいです。
「ペーパームーン」や「スティング」にも匹敵する気がするよ。

人物造形が優れている。
ロイの「潔癖症」も「不安神経症」も、孤独な生活と詐欺師のストレス。
精神分析医から貰って、宝物のようにすがっていた薬が、なんと女性の更年期障害用のサプリメント・・だったりして(笑)
この映画のニコラス・ケイジはイイです。
神経症演技がホンモノの病人に見えますよ。
サム・ロックウェルは相変わらずのチャラ男キャラですが、美味しい所をちゃんと持って行きます。
キーパーソンは娘のアンジェラ!!
擬似餌のような役割!

私もマンマと騙されましたが、ラストがとても良いんですよね。
技ありのラストです。
(よおおく考えてラストから逆算してみると、ここはあり得ないだろう・・・)
(こいつもグルかよ!・・とか如何にもな不自然さは、散見します)

でも名作ランキングに恥じない傑作なのは確かみたいですよ!

琥珀糖