「異国にいる不安感を見事に描いた作品。」ロスト・イン・トランスレーション だいすけさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0異国にいる不安感を見事に描いた作品。

2009年3月17日

泣ける

アカデミー最優秀脚本賞の他、数々の賞を受賞した作品です。

ウィスキーのCM撮影のために来日した映画俳優のボブ・ハリス。
写真家の夫の仕事に同行してきたシャーロット。
2人は、それぞれに慣れない異国にいる不安と孤独感で
眠れない夜を過ごしていました。

ひょんな事から2人は心を通わせるようになります。
お互い同じ不安、同じ孤独感を共有する人間として・・・。

東京を舞台にした、ちょっと可笑しくて、
ちょっと切なくて、そして、淡くて繊細なラブストーリーです。

主演の2人の演技が素晴らしくて、
異国での不安感、孤独感が凄く伝わってきます。

東京を舞台にしているだけに、見慣れた風景が沢山
出てくるんですけど、日本に住んでいて、
見慣れているはずなのに物語が進むうちに、知らない国を
主人公と一緒に彷徨っているような不思議な感覚になりました。

淡々としているんですけど、見終わった後も心にじんわりと
残る作品ですね。

映画館を出て、家に帰る途中、
バスの車窓からの見慣れた景色が
まるで異国の景色のように感じました。

だいすけ