「ダルドリー自身の11歳を加味した逸品」リトル・ダンサー エロくそチキン2さんの映画レビュー(感想・評価)
ダルドリー自身の11歳を加味した逸品
スティーブン・ダルドリーの長編映画デビュー作をようやく観ることができた。噂に違わぬ名作だった。
1984年、イングランド北東部の炭鉱町、母を亡くし炭鉱労働者の父と兄、そして認知症の祖母と暮らす11歳の少年ビリー・エリオット(ジェイミー・ベル)。
バレエ教室の先生(ジュリー・ウォルターズ)にダンサーとしての才能を見いだされ、彼女の熱心な指導を受けることに。
のっけからT. Rexのアルバム「電気の武者」に爆上がりする。84年に何故71年の「電気の武者」?と思ったらダルドリーは自分と同じ60年生まれだった。
そう、我々がビリーと同じ11歳だった71年の空気をもきっちり注入した逸品。
単なるサクセスストーリーでないところも好きだった。
ビリーの物語と並行して描かれる炭鉱労働者たちのストにサッチャー政権下の影を重く落とした。この重さがこの作品に特別なものを加えた。
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