「飛べ!!ビリー!!」リトル・ダンサー 琥珀糖さんの映画レビュー(感想・評価)
飛べ!!ビリー!!
何回観ても感動は新たです。
2000年(イギリス)監督:スティーブン・ダルドリー。
1986年のイギリスの斜陽の炭鉱町を舞台に、
バレエとおよそ接点のない11歳の少年が、ロイヤルバレエ・スクールを受験するまでの
軌跡です。
主演のビリー少年(ジェイミー・ベル)が成人した姿を、世界的バレエ・ダンサーの
アダム・クーパーが演じています。
この映画のファーストシーンは、ビリー少年の《跳躍》
そしてラストは、アダム・クーパーの《跳躍》で終わる。
そんな粋な演出がニクイ。
監督のスティーブン・ダルドリーは映画監督としてより、演劇やミュージカルでの活躍が
めざましく、エミー賞とトニー賞に輝く演劇人でもあります。
映画監督としての本数は少ないが、
「リトル・ダンサー」
「めぐりあう時間たち」
「愛を読むひと」
「ものすごくうるさくて、ありえないほど近い」
名作揃いで、強烈に印象に残っています。
炭鉱労働者の父親と兄を持つビリーは、父のススメで習っていたボクシング・リングのすぐ横で、バレエのレッスンする女の子たちに興味を惹かれます。
飛び入りで習ったら、あらっ、筋が良い!!
ビリーは男の子だけど、ボクシングよりバレエが合うみたい。
お母さんとお婆ちゃんの影響かな?
(お母さんはフレッド・アスティアのファンだったし、お婆ちゃんはダンサーになりたかったそうですよ)
お婆ちゃんはちょっとボケてるけれど、とても可愛らしい!
炭鉱の偉いさんを夫に持つサンドラ先生はおよそ芸術家には見えないし、
ポジションのお手本ひとつ見せない。
ちょこっとステップを踏む程度。
「フラガール」の方が、よっぽどダンスとひたむきに向き合う映画、に思える。
(日本人はやはり何事にも真摯で真面目)
(イギリス映画はユーモアとペーソスで、敢えて努力の部分を見せない?)
そして問題のバレエです。
ビリーがオーディションで、踊るシーン。
これは間違ってもクラシック・バレエではありませんね。
タップやとんぼ返りと、なんとも無手勝流ですが、本当に楽しそう。
間違ってもバレエを見る映画ではない・・です(笑)
オーディションでビリーが踊るダンス。
前のダンス同様に、お腹を抱えて笑いました。
審査員の表情も、実に微妙で、笑いを噛み殺しています。
男がバレエなんか・・と大反対だったお父さん(ゲイリー・ルイス)の変わり身の早さにも、
将来の見えない石炭産業の自分に較べて、ビリーの夢を後押ししたくなる気持ち。
親心ですね。お父さんも渋くて素敵。
息子のためにプライドを捨てて《スト破り』まで。
さて、アダム・クーパーですが、
成人したビリーはバレエ・ダンサーとして成功。
父親、兄のトニー、幼馴染のマイケルとそのパートナーが舞台を見にきています。
アダム・クーパーの出演シーンはほんの数秒。
黒鳥のメイクで跳躍します。
ひとっ飛び!!その跳躍が、高い!!
(アダムの背中がやけにデカいです)
余談ですが、私はアダム・クーパーが踊るのを札幌で見ました。
「熊川哲也のバレエ公演」に賛助出演したのです。
ガタイが良かった。
白いシャツにブルージーンズで踊ってくれたのですが、
労働者のように逞しかった。
札幌の2月。
雪まつりの夜のことです。
マイナス15度だったけれど興奮冷めやらない私の身体はポカポカでした。
そんな事も思い出してしまう映画でした。
過去鑑賞
返信有り難うございます。色んな物に関心を持って足を運ぶのは大切ですね、とても嬉しい褒美。それにしても札幌は凄いですね、マリア・カラスまで来ていたとは
こちらこそ、フォローありがとうございます。これからも宜しくお願いします。
アダム・クーパー、バレーに詳しくなく知らなかったのですが、可愛かったビリーはどこに行ったの!となる位、あの存在感に圧倒されました。そんな彼を生で見られたというのは羨ましい限りです。
貴重なコメントありがとうございます😊北海道にはあったのですね。フラガールも東北でしたね。本作時代設定は1984年ですが、制作は2000年だと。24年前ぐらい。観ていてお気に入りだし上映無いし、観に行ったのです。好きになれる作品。てありますよね。主人公可愛かったし。上手かったし。石炭は、資源が石油に変わってしまったので、その変化に乗れるかどうかですね。父と兄は、色々思う事あるかと。
共感コメントありがとうございます😊生アダム•クーパーを観られたのですね。バレエ鑑賞なさったというのが凄いですね。カッコいい方でしたね。数秒で魅せるオーラ満載でした。
本作今日も観に行って来ました。
二日続けて観ても飽きない引き込まれ方でした。パンフも買って来ました。
11月に1週間限定でI'MAXシアターで上映される「パリ・オペラ座 白鳥の湖」、観に行きたいと思っています。
でも長野県にはI'MAXの上映館がないので、特急に乗って東京か名古屋まで行かないとダメなんですよねー。遠いです。トホホ。
アダム・クーパーを生でですか!
わ、わ、羨ましすぎ。
琥珀糖さんもあの《跳躍》に目が釘付けだったんですね、
自分のレビューをあげたあとで琥珀糖さんのレビューを読んだらば、まるで似ていて!驚きつつもとても嬉しくなりました。
僕は「愛と哀しみのボレロ」のジョルジュ・ドン、京都の舞台で観ました。どう、羨ましいでしょう(笑)
琥珀糖さん
コメントへの返信を頂き有難うございます。
アダム・クーパー、この作品でしか知らないのですが、撮影当時25才だったようですので、年齢もあるのでしょうかね?
温かな余韻を残す作品ですよね。
ラストシーンのアダム・クーパーの迫力ある跳躍にも圧倒されました。
琥珀糖さん
アダム・クーパーの踊る姿を生で観ご覧になられたのですね ✨
テレビ画面での鑑賞でしたが、その迫力ある踊り( 世界的なバレエダンサーだと初めて知ったのですが…。)に圧倒されました。
共感します。また、フォローありがとうございます。
リトル・ダンサーのミュージカル版ビリー・エリオットもBlu-rayで見ました。それも凄く良かったです。それを孫に貸したのですが、疎遠になってしまい。返して貰えなくて、まだレビューが書けないでいます。