劇場公開日 2024年10月4日

「心から大好きな映画」リトル・ダンサー 白波さんの映画レビュー(感想・評価)

5.0心から大好きな映画

2022年6月6日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

レンタル屋で見かけて、何だか久しぶりに観たくなりました。
長編映画第1作で当時その卓越した楽曲集や、主演ジェイミーベルの芝居に世界的バレエダンサー特別出演など話題に溢れた作品。
まずオープニングから素敵なんですよね。レックスの「Cosmic Dancer」をバックに踊り抜ける樣はすごいうっとりします。
これ劇中でさらりとやってますが、二曲目なんで一発で頭に針を落とすの凄いんですよね。
「 I Love To Boogie」で二人踊るシーンも、カセットを取り出すところから可愛らしかった。
「Town Called Malice」は、そのフリーダンスで彼の苦悩とその解放への光を見せるようでもありました。
レックス以外にもクラッシュ、スティーヴン・ゲイトリー、JAM、スタイルカウンシルなどイギリスを彩る楽曲で溢れているんですよね。
後のミュージカル版にはエルトンジョンもサウンドトラックで参加するなど、本当音楽との繋がりが深い作品です。
それと「なぜ踊るの?」の問いかけでわかるアルバムの意味。これも絶対そうですよね、にくい演出です。
主演のまだうら若きジェイミーが実にキュート。
ちょっとした恋のエピソードも良いアクセントでした。
男の子がバレエに魅了される可愛いお話ですが、背景には労働者階級の厳しい現実なども描かれており物語に緩急が効いてます。
さらにその狭間にLGBTも入れ込み、よりジェンダーを扱った作品にもなっています。
皆の理解を得られ、何よりそれを力強く引き寄せたのは彼自信。
そうして羽ばたいていく様は、正に白鳥のようでした。
最後の最後まで、本当大好きな作品です。

リマスター版劇場鑑賞
こうしてまたスクリーンで観れる日が来るとは、何とも嬉しいものです。
OPのレックス「Cosmic Dancer」をバックにしたダンス。やはり最高なんですよね。
「I Love to Boogie」のシーンも実に素晴らしい。
本当に楽曲の選曲が素晴らしく、イギリスを彩る錚々たる曲ばかり。
男の子がダンスといったどこかふわっとしたテーマですが、労働者階級の現実やまだ理解のないLGBTも含まれており、思いの外深い背景なんです。
焦がれる自分の心を信じ進み、反発していた家族にも段々と理解を得る。
そうして皆に見守られ、正に白鳥のように羽ばたいていく。
やはり素晴らしい、その一言に尽きますね。
この度のリマスター版の公開、とても嬉しかったですよ。
何度も笑い何度も涙した本作、心から大好きな映画です。

白波