「こういう青春を過ごした人じゃないとダルく感じる」リンダ リンダ リンダ tokyonightkeepersさんの映画レビュー(感想・評価)
こういう青春を過ごした人じゃないとダルく感じる
漫画家・山本おさむさんの著書「マンガの創り方」で、読者に物語を読ませるには彼らに「おやっ?」と思わせる展開をつくればいいとおっしゃっていた。つまり読者になんらかの感情の起伏を起こして興味を持たせ、物語に引き込むというわけだ。
さて、本作で「おやっ?」っと思った人がどれだけいるだろうか。他の方のレビューを読む限り、本作のような青春時代を過ごした人は物語に引き込まれたようだが、そうでなかった人は「つまらない」と感じた方が多いようだ。
それもそのはずだ。リアルさを追求した結果、本作のような青春を過ごした人は物語全編で「懐かしさ」を感じるだろう。画面からあふれ出る郷愁の匂いに心の琴線が振るわせられっぱなしだろう。
だが、それ以外の人にとっては何の展開もない、ただダラダラとした女子高生の日常を見せられるだけだ。はっきり言えば「つまらない」。
こういったリアルさを追求する手法はありだと思うが、こういった青春を過ごさなかった人のために一ひねりしたアイデアが必要だったのではないだろうか。一応、ギャグっぽいシーンや恋愛っぽいシーンはあるのだが、いずれもリアルさ追求が目的で、観客を楽しませようと感じる程度のものではなかった。それが非常に残念だ。
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