「青春映画の佳作」リンダ リンダ リンダ ダース平太さんの映画レビュー(感想・評価)
青春映画の佳作
ライブを予定していた学園祭を前に、突然、ボーカルが脱退してしまった女子高校生バンドが、ひょんなことから韓国からの留学生をスカウトして、学園祭に向けて悪戦苦闘しながら突き進む、という青春映画。
高校生が紡ぐ音楽を題材にした同系統の作品に「スウィングガールズ」や「うた魂♪」があるが、本作には前述した2作品にはない、青春時代独特の苦みや甘酸っぱさがしかっりと描かれているのが素晴らしい。誰もが過ごす時代だけど、誰もがいつまでも過ごせない青春時代の切なさをしっかりと描き切れているのだ。そこら辺は山下監督の力量だろう。
また、何と言っても韓国からの留学生にペ・ドゥナをキャスティングしたのが映画が成功したポイント。言葉も文化も分からない世界に飛び込んだ異邦人が、ブルーハーツの音楽を介して日本の友人を作り上げる過程が涙ぐましいし、微笑ましい。青春映画の佳作だ。
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