「これはマクビーが悪いでしょ」白い肌の異常な夜 parsifalさんの映画レビュー(感想・評価)
これはマクビーが悪いでしょ
南北戦争中、南部の森で足を負傷した北軍兵士マクビーが、女子の学園の生徒に見つけられて運び込まれる。本来であれば北軍の兵士に引き渡されるところを、傷が治るまではと療養しているうちに、発見した少女エイミー、色恋に積極的な少女キャロル、看護していた若いエドウィナ、学園
長のマーサに甘い言葉で言い寄り、それぞれにキスをし、自分の身の安全を確保し、あわよくば関係を持とうとする。屋根裏部屋のキャロルに部屋で関係を持とうとして裸でいた所を、エドウィナに見つかって揉みあい、転落し足を複雑骨折。朝には壊疽が始まるので気絶したままマーサらが協力して足を切断することに。
彼は、知らない間に足を切断されたことに怒り、マーサの部屋から拳銃を持ち出し、以前にいた兄と言われる男とマーサの手紙を読んで、兄ではなく男と女の関係だったことを暴露すると脅す。エイミーの大切にしていたカエルを投げつけ死なせ、学園の女一人一人と毎日関係を持つと言い放つ。危機を感じたマーサらは、発見した少女エイミーに毒きのこを取ってこさせて、彼を夕食でもてなす提案を。エイミーも同意する。彼がキノコを食べたところで、マクビーとエドウィナは二人が結婚するつもりと明かす。エドウィナがキノコを食べようとした所で、マーサが静止してマクビーも気づいたが時遅し。死体となったマクビーは袋に詰められるが、女の園は何ごともなかったかのように普段通りの会話をしているシーンで幕を閉じる。この最後のシーンでの女たちが怖かった。
鑑賞し終わって、これは、さすがにマクビーが悪いだろって。自分が南軍に突き立てられて当たり前の所、治療してもらい、衣食を与えられたのに、4人の女性に甘い言葉巧みに近寄り、嘘を並べ立てる。自業自得としか考えられない。足を切断したのだって、身から出た錆で生じた事故。しかも命を助けるために手術までしてもらったのに。その夜、マクビーがマーサの部屋に行かずにキャロルの部屋に行ったにせよ、それを恨んで切断というのは言いがかり。その前にマクビーを裏切って、北軍に引き渡そうとしたキャロルの元に行くなんて馬鹿すぎる。また、浮気の現場を見たエドウィナが彼と結婚するって言いだすなんて。そこがこの脚本の弱いところ。この学園の地位を確かにしたいのならマーサ園長の部屋へ、若い盛りの女子を求めるのならエドウィナの部屋へ行くべきでしょ。そうなれば、丸く収まったかもしれない。
白い肌の異常な夜という邦題はいかがなものか。確かに女たちは彼に興味深々なのだが、それを悪用した男が悪い。たくさんの女子に言い寄るとこんな目にあうよって映画かな。異常なのはマクビーです。
イーストウッドが名うてのプレイボーイだったと聞くだけに、なんか下心が透けて見えるようで、嫌な感じが残った。