「宇宙から見たらちっぽけなのに」グッバイ、レーニン! talismanさんの映画レビュー(感想・評価)
宇宙から見たらちっぽけなのに
ダニエル・ブリュールは声がよくてナレーションもすごくいい。
2003年の映画だったのか。確かにヘドウィグも善き人のための…など東ドイツ関連の映画は2000年代以降にたくさん制作された。再統一して10年たって振り返り、早すぎたのでは?本当に良かったのか?と考える余裕と内省ができるようになったということなのだろうか。この映画を見る自分も世界も1989年は勿論、2003年と比べたって当然のごとく変化している。でも東西格差はある。いまだにある。壁の崩壊後に生まれた世代間にも差別感情がある。
子どもの為にママは一生懸命に国を愛することにした。そしてママの命の危機のために二人の子ども、取り分けアレックスが滑稽なほど真剣に「なくなった」国にかつてあったものを集めて「ママの世界」を作った。それは自分にとっての「過去」の世界の再構成でもあったんだろう。
アレックスが映画制作好きの職場同僚=友達(いい味出してる!キャスターも堂に入ってた!)と「ママの為に」作ってきたニュースの最後の原稿の言葉には胸を打たれた。「西ドイツからの難民をうちで受け入れて」というママの言葉も涙なしには聞くことができなかった。
子どもの頃宇宙に憧れていたアレックスが東独の英雄だった宇宙飛行士に「ニュース」に出演してもらったこと、ロケットを飛ばして花火と共にママを宇宙に送ったお別れ場面は良かったなあ。
あるインタビュー番組で大事な映画3本を尋ねられたダニエルは「イングロリアス・バスターズ」「ラッシュ」そして、いい映画だと言って「グッバイ・レーニン」を挙げていた。いい映画です、本当に。
私もかつての英雄がタクシー運転手になっていた事や彼の友人がフェイクビデオをたっぷりの思い入れで作る場面が好きでした。反面、実生活に多大な影響ある(しかも自分の家族を別構築してる)姉の思考がリアルで、作品全体のクオリティを上げてる!と思いました。
あ、変なオススメして申し訳ありません。
アベンジャーズシリーズに没入するときにはかなり覚悟が必要ですよ。
映画だけでも20本以上ありますから・・・
俺は7月公開の『ブラックウィドウ』を観るために総ざらいする目的で全作チェックしようと思いましたが、その他にもTVドラマもあるので大変だということに気づきました!
多分ダニエルくんはドラマ版にも登場してるみたいです・・・