劇場公開日 2006年12月16日

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「蓮佛美沙子を探せ!」犬神家の一族 sow_miyaさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5蓮佛美沙子を探せ!

2025年1月6日
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鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

NHKBSをつけたら、タイミングよく始まるところだったので鑑賞。セルフリメイクの2006年版だったので、今も活躍している方々が、少し若めに登場してきて、それだけで興味深い。

松嶋菜々子が、やはりとても魅力的。富司純子と尾上菊之助が本当に親子役というのも改めておもしろかったし、加藤武の「よし、わかった」も懐かしかった。

最後のクレジットで、「女中 蓮佛美沙子」と出てきて「えっ?」となり、確認のためにHuluでもう一度観てしまった。結果、障子の向こうで登場シーンは数秒あるかないかなのに、きちんと大きくクレジットされているのは、市川崑が出演者を大切にしていることの証か。
それとも、wikipediaによると、これが彼女のデビュー作らしいので、事務所の意向か。
いずれにしろ、私は彼女のファンなので、観られてよかった。

さすがに現代では、莫大な富をバックに、ここまでのやりたい放題をする左兵衛翁のようなジイさんはいないと思うが、松子をはじめ、目先の利益に飛びつくためには、他人はどうなっても関係なしという輩は、残念ながら大なり小なりいる。
そうだとしても、松子の「私にはこうするしか仕方なかった」というセリフと、あれだけ殺人を犯した母に「母さん」と抱きついて泣ける佐清の感覚に共感できる人はどれくらいいるのだろう。
(本当の母親なので、この映画としては見どころの一つだとは思うが…)

ただし、これが、小さなコミュニティの中にとどまらない、対国家という関係になると変わってくる。「戦争」や「テロへの対抗」という大義名分が付けば、今でも同様に、広い意味で害を与えると思われる人たちを何人殺そうが心は痛まないし、自分の身内の(自国の)利益誘導のための殺人も許されている世界な訳で…。

考え出すと「昔だから」では済まされないものが描かれている映画だなと感じる一本。

sow_miya