シャイニングのレビュー・感想・評価
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おもしろ怖い
ホラーは苦手な当方ですが、とても楽しめる作品でした。映画としてはエンターテイメント性が高く面白かった。
コメディも出来る名優ジャック・ニコルソンが本作品ではじわじわと狂気に満ちていくさまが恐怖でした。
映画全体の雰囲気もおどろおどろしい。
でもどこか少しコミカルに感じたのは、主人公の少年の存在の為でしょうか。
原作と映画ではラストが違うということですね。
映画のラストは「早く、早く逃げて〜」と思わず声が漏れ出てしまうほどハラハラしました。
キューブリック代表作品
キューブリック作品あるあるだが、ギネスに載るくらいのテイクを重ねて撮影した挙げ句、結局本編ではバッサリカットされたシーンがそこそこ重要だったために
「それにより、映画を難解にしてしまった」
とは、ウェンディ役のシェリー・デュヴァルの批判的な発言。
2001年 宇宙の旅の話は有名だが、結局肝心なことは作品の中で何も語らないため、一体何の話なのかさっぱりわからない、ということがキューブリック作品の特徴でもある。
まあ、そのあたりが映画史における最も偉大で影響力のある映画製作者の一人に挙げられる所以でもある。
と同時に原作小説をないがしろにされたスティーブン・キングの気持ちも分からんでもない。
歯がゆかった
古いのはあまり観ないけど、続編のドクタースリーブを観るために。
色々と歯がゆかった。なぜそう行く、と思う点多数と、泣き叫んでばかりの妻にイライラした。
元々ホラーっぽいのは苦手だけど、終盤に急にお化け感満載になったのは納得いかなかった。
評価3.1
ファンタジーホラーって感じ。
洋服屋のTシャツのプリントになっていたり、
なんとなくいろんな場面で聞くシャイニングという映画。ずっと気になっていた映画だ。特にジャケ写のあの挟まれた顔。すごく印象的だし、忘れない。
あの男性は幽霊を観てビックリしているのかと思っていたけど、全然違った。
迷路の俯瞰の画とか、三輪車(?)の後ろをずっと付いて行くカメラワークとか、赤いトイレやセットのオシャレさとか、その当時観た人は驚いたはずだし、斬新だったんだろうなと思った。
今はCGが進化しててリアルでは無理な角度や動き世界観の映像を沢山観ることが出来るようになっているから、慣れてしまっているのかもしれない。だから、そこまでの感動は正直言って、なかった。でも今に通ずるカメラワークや構図の美しさは共感できる。何十年も前の映画だけど、古さは感じない。
また、ストーリーの進み方が良いと思った。
長い作品だから、とりあえず10分くらい観て面白くなかったらやめようとか思ってたのだけど、ストーリーの進み方が次々と気になることが出て来て、停止ボタンを押す気になんて到底ならなかった。
驚く時に顔にどーんとズームインする感じが、私の大好きなジャッキーチェンの映画と同じで、あ、ジャッキーズームきた!と思った。怖がらせるためのズームインなのに、そんなことを考えてしまった笑
これはホラーというより、ファンタジーホラーって感じ。
もはや笑えるシーンも沢山あった。
妻に詰め寄るシーンでは、旦那の仕草が武田鉄矢に似ていて笑ってしまった。
シャイニングって結局なんだったのか。というのと、
ラストの意味がわからなくて、???ってなった。
昔の写真にもういるって、どゆうこと???
オカンが最後まで観たスゴさ
うちのオカン(もう亡くなったけど)は昭和一桁世代で、TV放映される映画も訳わからんかったらすぐチャンネル変える人だったんですよ。
そのオカンが観たのよ、最後まで。
この映画が好きな私でも結局、シャイニングって何の力やねんて解らんのだけども、オカン曰く、頭がイカれた親父が母子を追っかけ回すサスペンスで面白かった、と。
なるほどね。
「2001年宇宙の旅」も、機械が人間を狙う話として観てたわけで、そういう見方ができるあたり、やっぱキューブリックってスゲエなと思うのです。
キングとキューブリックのそれぞれの雰囲気は感じられた。
なんて表現したら良いか解らないがキューブリックらしい小難しい感じあり、キングらしい精神的に追い詰めてくる感じもある。
ただ映画の内容としては中途半端に感じた。時間的に表現出来なかったせいなんだろうが、ダニーのシャイニング(特殊能力)が生かしきれず、所々考察や原作見ないと解らないところ満載な感じ。
多分原作はもっともっと作り込まれてるんでしょう。
それはさておき個人的にはジャック・ニコルソンとシェリー・デュヴァルの顔芸観るだけでも価値ある作品だと思う。
それに結局一人しか殺されないのにこの傷痕は凄い。まさにホラーの金字塔。
父と子の異能バトル?
エンジンのないキャデラックことシャイニング。
何回か観てるのに一向に話が覚えられない。
大筋はわかるんだけど、細かいシーンの順番がいまだに曖昧。。
ホラー映画の金字塔のように扱われる一方で、後にセルフ映像化までした原作者にはそうとう忸怩たる思いがあったと思われる。
いっそのこと、より単純化して父と息子の異能対決と考えると、アニメやマンガなどキャラクターものに近いのかも知れない。
一見高級フレンチのようだけど素材は見慣れたいつものやつ。
映像的にはタイトルバックの空撮から始まってうっとりするような場面がたくさんあるけど、現場に無理難題を言うことでおなじみのキューブリック、陰で泣いた人のことを考えるとあんまり天才の所業だと称揚したり、ネタ的に消費するのもよくないなと思う。
ジャック・ニコルソンの演技もよくよく見るとカロリー高すぎて正解なのかどうかよくわからない。
実はママがいちばんマトモな人なのに、怯える顔のインパクトがすごいのでそう見えない。
全体的に地平線の高さがおかしいというか、装飾が過剰すぎて元の形がわかんなくなるところが一番の魅力なんだろうな?
1級のエンターテインメント
「午前十時の映画祭」で鑑賞。
40年ぶりぐらいに観た。レンタル・ビデオでも1度観たようにも思うが、とにかく劇場ではそれぐらい久しぶりに観た。
はじめて観たのは、高校生の頃だった。
三宮の国際会館という、だだっ広い映画館で本作を鑑賞した僕は、少なからず恐怖を覚え、観終わったあと、何だかとても気が重くなったのを記憶している。
「恐怖」といっても、映画に描かれた亡霊などの心霊現象(あるいは幻覚のようなもの)はそれほど怖くはなかったように思う。それよりも主人公のジャックが徐々に狂っていく姿、人間という生き物の中にひそむ、そして何かの拍子に顔を出すかも知れぬ、その狂気が恐ろしかったのだ。いや、もっと正確にいえば、そんなことが起こりうる人間という存在そのものにウブな高校生の僕は恐怖したのかもしれない。原作者のスティーブン・キングは、「キューブリックは恐怖というものをわかっとらん」と本作を酷評していると昔どこかで読んだことがあるが、少なくとも高校生の僕にはじゅうぶんに怖かった。
そして、ちょうどそのころ我が家でこんな出来事があった。
あることで、とてもふてくされた態度をとった妹に父が激昂したのだ。父はふだんはいたって温厚で、我々子どもたちに手をあげたことなど1度もなかったのだが、このときはちがった。度を越した妹の態度にあまりにも腹が立ったのだろう、「貴様! いい加減にしろ!」と父は妹の首に手をかけ、締め上げた。このままでは妹が死んでしまう。僕は必死に父を制止した。
僕が知るかぎり父がそんな行動をとったのは、後にも先にもそのときだけだった。それはまるで父の中から別の人間があらわれたようだった。僕はとても怖かった。その豹変ぶりに心底恐怖した。今でもそのときのことはトラウマになっている。
それ以来、僕の中でこの出来事と映画『シャイニング』はオーバーラップしている。
僕はこの映画のことを思い出すと、我が家で起きたあの恐ろしい出来事を思い起こしてしまう。父が「ジャック」と重なり、「ジャック」が父と重なるのだ(いかん、我が家の秘密をこんなところで曝してしまった)。
そんな、僕にとって曰くつきのトラウマ映画を数十年ぶりに観たわけである。
が、今回はほとんど恐怖というものを感じなかった。
何故だろう? 昔はあれほど怖かったのに……。いろんな経験をして、スレてしまったのかもしれないなぁ。
今回はエンターテインメントとして、ただただ楽しんでしまった(あのドメスティックな出来事は横に置いといて)。
まず物語の序盤、我々鑑賞者は、ジャックの家族とともに、過去の惨劇の舞台であり、これから起こる忌まわしい出来事の舞台となるホテルの中をいろいろと案内される。恐怖のホテルツアーの始まりである。お膳立てはバッチリだ。
ひと気のない夜の学校や閉院した病院……そして休業中のホテル。人が多く集まるべき場所に誰もいないというのは本当に気味が悪いものだ。
そのがらんとした空間に、ジャックが壁に投げたボールの音が響く。息子のダニーの載るスケートボードの音が響く。カーペットの所とそうでない所の音の差が効いている。それらの響きは否応なしに不吉な予感を誘う。よしよし、いい感じだ。
そして、いよいよ前半部に用意された伏線の回収がスタートする。雪に閉じ込められたホテルを徐々に狂気が支配していく。キャー!!
ここからはストーリーのことはちょっと置いといて、前回観たときには怖くてそれどころではなかったことにいくつか気づいたので、それを書こうと思う。
物語のほとんどは、閉鎖空間、つまりホテルの内部で進行するわけだが、観ていると、水平と垂直の直線で画面の多くのシーンが構成されていることがわかる。
ホテルの柱、窓枠、天井や床など、それらの水平線と垂直線がひじょうに効果的に使われているのである(歪みのほとんど出ないレンズで撮影している)。
このように水平や垂直が多用された構図は安定感をもたらすが、同時にある種の緊張感をも表現するように思う。
それからシンメトリーを意識した構図が多い点も印象的だ。このシンメトリーという構図も、上に記した水平・垂直線と同じような効果がある。
これらの画面構成が本作に独特の雰囲気を与え、ストーリーの展開に少なからず作用しているのは疑いのないところだろう。
つまり、それらの画面構成が生みだす映像効果によって、ジャックとその家族の閉塞感や、追い詰められていく心理が、より強調され、より絶妙に表現されているのである(ステディカムの導入も功を奏している)。
また、上に述べた画面効果が、本作に幾何学的映像美をもたらしているとも感じた。
今回、再鑑賞して、この作品の美しさにも僕は感動した。
巨匠キューブリックにこんなことを言っては失礼だが、映像がとてもしっかりしている。「端整」という言葉を用いてもいいだろう。
その端整な映像でとらえた、カラフルでおしゃれなホテルの内装、それから年代を感じさせる調度品や登場人物たちのファッション、倉庫の食料品のパッケージなどなど、それらを観ているだけでもじゅうぶん面白かった。とくにボール・ルームの赤と白に色分けされたトイレはとても刺激的だった(ボール・ルームの舞踏会の幻想シーンも美しく、後の『アイズ ワイド シャット』を連想させて、これにもワクワクした)。
というわけで、本作を美術作品のように鑑賞してもかなり楽しめました。
あと、「この映画の主役はダニーだな」と思わせるような、当時6歳のダニー・ロイドの演技も素晴らしかった。と付け加えて、そろそろレビューを終わることにします。
このところとても忙しいし、前にも観た作品だし、どうしようかなと映画館に足を運ぶのをちょっとためらったけれど、鑑賞して本当によかったです。
日本初公開版より20分以上長いリマスター版だということだけれど、まったく長さを感じさせなかった。
キング氏の意見は意見として、僕は、何十年経っても色あせない1級のエンターテインメントだと思いましたね。
午前10時に見る映画じゃねぇ!
午前10時の映画祭で鑑賞。やっぱり面白いですね。それに今回上映されたものは北米公開版だったのでコンチネンタル版しか見た事のない私は新鮮な気持ちで鑑賞することができました。
ストーリーについては書きません。私がストーリーを理解できてないですし、頑張って書いてもとんちんかんなことしか書けなさそうですしね。
役者さんの演技は全員上手です。ジャック・ニコルソンは狂気に満ちていましたしダニー・ロイドも6歳という年齢でダニーとトニーの演じ分けができており怖がらせてもらいました。コンチネンタル版にはないのが残念ですがダニーがトニーに乗っ取られるところはトラウマ物です。
本当に素晴らしい映画です。昔の映画だからと手が伸びない方にも見ていただきたい傑作です。是非ご覧ください。
ちなみにあの有名なシーンの字幕は「お客様だよ!」でした。個人的には「オコンバンハ!」のほうが好き。
コロナ禍の今だから、改めて怖い!!
超有名な映画ですが、ホラー苦手の私にとっては
ずっとハードルが高かったのです!
それでもここまでネタバレしている映画なので
思い切って「午前十時の映画祭」にて鑑賞。
いや~~~怖いね~~(笑)
ビジュアルのジャック・ニコルソンは怖いですが
奥さん役のシェリー・デュバルの顔も怖い!
出てきた瞬間にすでに心を病んでそうな佇まい。
この映画のタイトル「シャイニング」の子供!
ダニー・ロイド君も怖い!目が行っちゃってる。
そもそも、あのホテルに来る以前から
お父さんには何か粗暴な素質があったように感じた。
だから彼は悪霊に魅入られたのかも~~
流石に数々の映画からオマージュされてる
エポックメーキングな映画でしたね。
特に、ジャック・ニコルソンと
幻影のバーテンダーとの会話シーン。
クリス・プラッド主演の「パッセンジャー」の
BARのシーンを思い出しました。
で、月に8回ほど映画館に通う中途半端な映画好きとしては
「午前十時の映画祭」を紹介する
事務局オフタイム【第268回】と言うyoutube番組では
結局一番怖いのは「人間」ってことが
言いたかったスタンリー・キューブリック。
まだ若かったスティーブン・キングには
それが気に喰わなかった!
後年自分で取り直したけど、
これがつまんないと紹介していました。
私はホラーは苦手ですがミステリーは怖くない。
なぜなら人間が犯人なら動機が解る。
犯人が人間でない場合は恨まれる動機が解らない。
だから怖い。
まあ最近は人間が犯人でも
動機の解らない犯罪も多いですが~~
にしても、最後に疑問に思ったのですが
あの、気の毒な黒人のシェフ。
悪霊達にずっと以前から目を付けられていた様子なのに
あの日までよく無事だったわ!
悪霊たちは夜型ならぬ、冬型だったんですかね~~。
2021年コロナ禍で世界中で家庭内DVによる
被害が増えているそうな~
閉ざされた空間でやがて狂気に落ちる夫のセリフが
まんまDV夫のセリフで逆に恐ろしくなったわ。
2021年にまた劇場で上映されたことが
単なる偶然とは思えなくて、ちょっと背筋が
寒い~~~~~
感受性の凄さ
過去に自宅で鑑賞したことがありますが、ちょうど劇場で公開されていたので再鑑賞しました。原作は未読です。
ジャックの狂気は、自分を追い込む完璧主義な性格ゆえなのだと思います。そのジャックの狂気を感受性豊かなウェンディとダニーが感じとった。数々の幽霊や血も、彼らの幻覚とも思えなくもありません。あの場所が、感受性豊かな人の想像力を逞しくするのかもしれません。
現代の核家族にもDVや殺人は良くあるトラブルですよね。いやいや、八つ墓村みたいに昔から日本でも良くあることですが、何が一番怖いって隔離された空間にいる身内同士。人間が何よりも恐れるのはこういうシュチュエーションなんだろうな。
キューブリックもジャックと同様、超完璧主義者ですよね。作品を観ていると、ジャックがキューブリックに見えてきました。天才が持つ狂気を、キューブリックそしてジャック・ニコルソンから感じ取れるから、本作はずっと人を魅了してやまないのだと思います。
天才は理解を超えます。だから、映画は面白い。
午前十時の映画祭にて。 かなり昔に観ているが、細かいところなど全く...
午前十時の映画祭にて。
かなり昔に観ているが、細かいところなど全く覚えていなかったので、改めて大きなスクリーンで観れたのは感激。やはりニコルソンの演技が秀逸!シェリー・デュヴァルも負けていない(ある意味ニコルソンより怖かった)。
ホテルのこと、原作との違いなど、ネットに出ている裏話も興味深かったです。
キューちゃんの異形の心理ドラマ
スティーブン・キングの原作を換骨奪胎した完全なるキューブリック作品で、とても見応えがありました。開巻の山道を走る車のシーンからなにか不穏で、オフシーズンのホテルの退屈な日常シーンとエレベーターホールの鮮血の奔流、廊下の双子の少女、無人のホールのバーテンダー等の不気味ショットの対比が強烈です。また、主人公のジャック・ニコルソンが、亡者に徐々に取り込まれていく過程の描写と演技は圧倒的な迫力で、結果的に、時計じかけやフルメタルでも描いていた、『人間が何か別のものに変えられる』恐ろしさをホラーと言う形で表現した、キューブリックの力技でした。
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