「理解できないことへの恐怖」シャイニング ノリック007さんの映画レビュー(感想・評価)
理解できないことへの恐怖
原題も邦題も「シャイニング(輝き、ひらめき)」です。
シャイニングは、主人公の息子等が持っている才能で、同じシャイニングという能力を持つ人と口も動かさずに会話することができ、距離を隔てても会話することができ、未来のことや過去のことを夢で見たり、幻視することができる超能力です。
展望ホテルに巣食う悪霊が存続するために「シャイニング」が必要で、主人公の息子の持つ「シャイニング」を手に入れるために、主人公に主人公の息子を殺させようとするという設定です。
シャイニングという能力についての説明はないので、分かりにくいです。
映画「シャイニング 北米公開版」の映倫区分は「PG12」です。
この映画「シャイニング」も、12歳未満の方は、保護者の助言・指導が必要だと感じました。
有名映画ですが、ホラー映画です。
ホラー映画が苦手な人や若い人でホラー映画を見慣れていない人にも、全くお勧めできませんし、トラウマになってしまうほどの映画です。
自分は、高校時代にこの映画を見て、ホラー映画を見ないようになりました。
機会があれば、映画館の大きなスクリーンで鑑賞した方が良い映画です。
自宅で鑑賞すると、恐怖心に負けて、最後まで鑑賞しないで、楽しめない可能性があります。
ホラー映画が苦手ではない人やホラー映画を見慣れている人には、名作と言われるだけの映画なので、鑑賞することをお勧めします。
どのようにすれば、見る人に恐怖心を与えられるかが、理解できるようになります。
絵画のような綺麗な映像と音楽が恐怖心を煽っています。
左右対称であり、バランスが取れている構図は、自然的ではなく、不自然ですが、権威を強調し、見る人を威圧し、恐怖心を与えています。
国会議事堂や東京都庁も左右対称であり、バランスが取れている状態なので、権威を強調し、見る人を威圧し、恐怖心を与えているということです。
目で見えている世界と鏡に映る世界を印象的に分けることで、恐怖を煽ってきます。
ストーリーは、時系列が前後することはないので、理解しやすいですが、理解できない映像が挿入され、恐怖心を煽ってきます。
登場人物は多くはなく、ブレることはなく、設定が明確なので、理解しやすいです。
理解できない人を登場させることにより、恐怖心を煽ってきます。
主人公を理解できないので、観る人は、恐怖心を抱きます。
いじめ、パワハラ、セクハラと同じです。
いじめ、パワハラ、セクハラを受ける人は、いじめ、パワハラ、セクハラを行う人を理解できないので、恐怖心を抱くのと同じことです。
いじめ、パワハラ、セクハラを行う人は、主人公のことを理解できるので、恐怖心は感じないでしょう。
主人公に感情移入すると、仕事のストレス、仕事しかないという孤立感、アルコール依存症により、徐々に狂気を帯びていくことを感じることができます。
主人公の妻に感情移入すると、より恐怖心を感じるということです。
主人公の息子に感情移入すると、息子の持つ超能力を理解できないので、分からない映画に感じるでしょう。
主人公のモデルは、原作者のスティーヴン・キング自身です。
スティーヴン・キングは、教師になり、小説を書く時間がなくなり、アルコール依存症で、コロラド州ボルダーに移り住み、コロラドを舞台とした「シャイニング」を書きます。
スティーヴン・キングは、主人公が小説を書くことができずに、ストレスにより、アルコールで気が狂ったというこの映画の設定には、納得できないのも分かる裏話です。
難しい言葉はないのですが、アメリカの地理について知識があると、理解が深まります。
デート向けではありませんし、カップル、夫婦、親子で鑑賞するのにも向いていないです。
一人で鑑賞するのが良いです。
伏線が張られ、伏線が回収されるので、見事なストーリーです。
名セリフもあり、楽しませてくれます。
字幕版しか観ていませんが、ところどころ、字幕にならないセリフがありますが、高校程度の英語が理解できるなら、字幕にされていないセリフも理解できるので、自己満足度が高くなります。
ラストは、今なお続くという感じで、恐怖感を煽っていいるのが良いです。
この映画には、続編となる映画「ドクター・スリープ」があり、この映画を鑑賞しても理解できない人で、この映画を理解したい人は、映画「ドクター・スリープ」を鑑賞することをお勧めします。
雪に埋もれる静かなホテルに宿泊したくなります。