「怪演・ニコルソン」シャイニング bunmei21さんの映画レビュー(感想・評価)
怪演・ニコルソン
もうすぐ自粛規制が解除になるのを楽しみに、ホラームービーの名作を、Huluで再鑑賞。最初に観たのは、自分が大学生だった頃…。40年も経つのに、一気に、あの時の恐怖に引き込まれます。
原作者のスティーブン・キングが、原作に忠実でないことに対して、監督のスタンリー・キューブリックを批判したという曰付きの一本。先日、本作の40年後のダニーを主人公に、あの忌まわしきホテルを舞台に公開されたのも記憶に新しいところ。
本作の魅力は、なんと言っても、ニコルソンのあの怪演、奇演。薄気味悪い笑顔の中に潜む鬼畜としての闇。他の誰にも真似できないし、本作の代名詞となった、斧で扉を破るシーンは、映画史に刻まれる名場面。素顔でもジョーカーがそのまま務まるんじゃないか、と思うほど…。(笑)
また、恐怖がそのまま顔に現れた不思議な顔立ちの妻役・シェリー・デュヴァルと、シェリーとは真逆に、淡々と恐怖を演じる子役のダニーの、対照的なキャラクター設定も、ミステリアスな効果を生んでいます。
それに、なんと言っても、あのバイオリンによる『キン、キン、キン…』という効果音が、観る人に、より一層の怖さを与え、その後のホラームービーにも、大きな影響を与えたと思います。
そして、舞台となるホテルでの色彩や展開、その中にエロチシズムさえ盛り込む演出は、映像の魔術師と言われる、キューブリックならではと感じます。
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