劇場公開日 2003年8月30日

HOTEL : 映画評論・批評

2003年9月2日更新

2003年8月30日よりシネマスクエアとうきゅうほかにてロードショー

マイク・フィッギス監督が見出した映画の新たな規範

リービング・ラスベガス」の成功にもかかわらず、実験的な作品を次々と発表するようになったフィッギスは、あるインタビューで彼が見出した新たな規範について、こう語っていた。「映画とはSFであり、ブラック・コメディであり、キャラクターがプロットなのだ」。つまり彼の作品では、何でも起こり得るし、常に毒が散りばめられ、直線的で明確なプロットなど存在しないということだ。

この映画には、まさに彼の言葉通りの世界がある。キャラクターを発展させるのは、アドリブが許された俳優自身だ。ドラマでは、昏睡状態に陥った映画監督の意識がホテルと一体化するという異変が起こる。彼は、錯綜する男女関係を監視カメラのように見渡し、その視野は4分割された画面で表現される。

そしてもうひとつ印象的なのが、ドグマ95を挑発するような台詞や映像である。考えてみると、画面を4分割するアイデアはドグマと無縁ではない。ドグマの4人の監督が、同時進行する4つのドラマを撮るイベントを行ったのと、フィッギスが前作「TIMECODE」で4分割に挑戦したのは、ほとんど同じ時期のことだった。そんな接点が、フィッギスにドグマを意識させているのかもしれない。

(大場正明)

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