「メル・ギブソンの無駄遣い」ハート・オブ・ウーマン うそつきカモメさんの映画レビュー(感想・評価)
メル・ギブソンの無駄遣い
全米で大ヒットしたということだったので、特定の層には大ウケした映画なのだろうと思いますが、見たあとの印象としては、「メル・ギブソンが台無し」というものだった。
せっかくメル・ギブソンをコメディにキャスティングしたんだから、もう少しキャラクターを煮詰めてからストーリーを展開してほしかった。
女性の気持ちが分からないエグゼクティブが、なぜか女性の心の声を聴きとれるようになる。という、なんの説得力もない設定で、年齢的にも曲がり角に来ていたメルの、新境地を開くような期待をさせといて、彼のキャリアからは、このことはなかったかのように扱われているのだから、いくらヒットしたといっても、成功作とは言えないだろう。
監督のナンシー・マイヤーズは、「マイ・インターン」や「恋愛適齢期」で、やはりおとぎ話のようなコメディを成功させているだけに、ちょっと浮世離れしたとっぴな設定が得意な人なのだろう。今にして思えば、メル・ギブソンだけが、この世界から浮き上がって見えるのだ。もったいない。
コメントする