「原作も映画もどちらもいい、というのは珍しい?」博士の愛した数式 saitallさんの映画レビュー(感想・評価)
原作も映画もどちらもいい、というのは珍しい?
原作を読んでの感動からしばらくの時を経て、本作を鑑賞しました。本当は映画は見ない方がよいのでは、とも思ったのですが、結果はまったくの杞憂でした。
本作の筋立てが、教師になった√くんの最初の授業が骨格となっていて、そこからして原作とは違う味わいがありググッと引き込まれました。また、博士の義姉の切ない心情や少年√くんの博士への敬慕の念が深く描かれるなど、原作とは違った視点から登場人物の心情描写に迫っていました。
しかし、何と言っても博士役の寺尾さん、家政婦役の深津さんの演技が素晴らしく、原作の人物像を一層リアルに感じさせてくれました。原作も映画もどちらもよかったよと素直に言えるのは、久しぶりのことのような気がします。
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