「やっと見た」七人の侍 U-3153さんの映画レビュー(感想・評価)
やっと見た
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ずっと敬遠してきた。
凄い映画だと、海外の作品にも影響を与えた黒澤作品の金字塔だと。
数々の伝説と噂が先行して、僕の耳に届いてた。
だから、見るのを躊躇ってた。
当時と今とでは色々違う。
出来る事も出来ない事も。
昔は不可能に限りなく近かったものでも出来てしまう。
昔は革新的だって手法も今では、使い古された手法になってる事だってある。
「なんだ…こんなものか」と思いたくなかったから、ずっと見るのを躊躇ってた。
この作品には原点があった。
技術とか体制とか、予算とかカメラの台数とか、CGとか革新的な機材とか…そういうものじゃない。
いや…そういうものを開発し、またはそういう事に奔走する。
その価値というか報酬というか…情熱が昇華した結果ともいうのであろうか…。
古くさい言い方かもしれないが、映画人の魂を、ずっと4時間見てきたように思う。
広範囲に吹き荒ぶ、雨と風
作り込まれた美術
途切れない役者の心情
三船さんの足裏の皮には神経が通ってないのかと思う。
自然児と断定するのは容易いが、小石や硬い草を踏みしめただけでも痛さはあるのだ。
全くないかのように見える。
山道を川の中を、獣のように疾走する。
あの映画に映り込む何一つを見ても、まがい物はなかった。
映画を創るとは、かくあるべき
そんな圧倒的な狂気にも似た情熱を感じた作品だった。
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