「ビッグマックとナイキじゃ満足できない」ゴーストワールド uzさんの映画レビュー(感想・評価)
ビッグマックとナイキじゃ満足できない
これはシスターフッドもの…でいいんだろうか。
冒頭イーニドだけを映すことで、あくまで彼女が主役だと分かりやすく明示してくれる。
正直、イーニドの捻くれ具合は拗らせでは済まない。
社会をナナメに見て、何にでも文句もつけ、そのくせ高卒の資格は欲しいし、かといって何をするでもない。
上を見下すような態度は滑稽さと不快さが常に付き纏う。
自分からレベッカを蔑ろにしたにも関わらず、彼女の自立に苛立つなど、自分勝手な面も目立つ。
そんなイーニドが唯一惹かれたのがシーモアだが、ここの感情もよく分からない。
恋人をアテンドしようとしたにも関わらず、いざ上手くいくと不満を見せる。
単純に自分が最優先でないことが嫌なのかと思えば、ガッツリ寝ちゃうもんだから理解不能。
シーモアも、広告を出すほど焦がれていたデイナからあっさり乗り換えるし…
共感できたのは自立し始めたレベッカ(客を殺したくなるというのも含めて)のみ。
実在するかも曖昧なバスに乗るラストもスッキリしない。
あの世に逝ったというよりは劇中で語っていた旅に出たという流れな気はするが…
展示会で問題になったあの絵のどこがダメなのかも分からなかったので、文化的な理解が足りないのか。
あの美術の補修はむしろ楽しそうだった。
昔、「チビクロさんぼ」という絵本がありました。私は大好きでしたが、絶版になりました。
カルピスの絵も大好きでしたが同様です。だっこちゃんはじめ、禁止されたおもちゃなども少なくないことでしょう。
顔を黒く塗るだけでもアメリカでは大変なことになるそうです。
あの絵に関しては、黒い肌、厚い唇、大きな目、大きなお尻など、ステレオタイプの黒人を描くこと自体が大問題なのでしょう。
私もよく理解しているわけではないので、ぜひ、本などで、一度、解説を見つけて読んでみられることをおすすめします。
私たち日本人が想像しているレベルとはかなり違うレベルで人種差別が行われている国々があります。それぞれの国では、それに対する対応も私たちの感覚からは想像できないものになっているのだと思います。
疑問の答にはなっていませんが(繰り返しになりますが)ぜひ自分で調べてみられてください。
共感ありがとうございます。
何か決定的な溝が出来てしまい、ビターな後味も残りましたね。ゴーストワールドに再びイーニドが帰還した時、二人はどうなってるんでしょうね。