「【少し背伸びした、エキセントリックなハイティーン女子のモラトリアムの中での恋とモラトリアムからの旅立ちを描いたオフビートで、ポップカルチャーな世界感も良き作品。】」ゴーストワールド NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【少し背伸びした、エキセントリックなハイティーン女子のモラトリアムの中での恋とモラトリアムからの旅立ちを描いたオフビートで、ポップカルチャーな世界感も良き作品。】
■幼なじみで親友のイーニド(17歳のソーラ・バーチ)とレベッカ(15歳のスカーレット・ヨハンソン)は高校を卒業したものの、進路も決めず町をぶらつき、面白い事を探す気ままな毎日を過ごしている。
そんなある日、2人は悪戯心から、新聞の出会い広告欄に載っていた冴えない中年男シーモア(スティーブ・ブシェーミ)を呼び出して尾行する。
イーニドはダサくても自分の世界を持っているシーモアに興味を抱き、彼の理解者として、親交を深めていく。
一方、レベッカはアパートを借りるために珈琲ショップで働き始め、自立しようとする。
同居生活を計画していた、イーニドとレベッカは次第にすれ違うようになっていく・・。
◆感想
・前半はイーニドとレベッカの背伸びし、大人ぶった態度が可愛い。
- スカーレット・ヨハンソンって、15歳からハスキーボイスだったんだ!-
・主役はソーラ・パーチが演じた眼鏡女子イーニドである。彼女は最初はダサいと思っていたシーモアが、ブルースを愛する姿に、徐々に引かれて行く。
- だが、彼女はストレートに想いを伝えられず、彼が興味を持った女性を紹介するのである。-
・イーニドは、幾つかバイトをやっても口が悪い為に直ぐ首。一方レベッカは珈琲店に就職し、アパートを借りる為に働く。そして同居生活を夢見ていた二人の間に、徐々に距離が出来る。
<今作品のラストが秀逸である。バス路線が廃止されたバス停留所でバスをずっと待っていた初老の男性の前にナントバスが来るのである。それを見たイーニドもバス停に座り、来たバスに乗り込んで街を去るのである。今作品はモラトリアムを過ごした少しエキセントリックなハイティーン女子の恋と旅立ちをオフビートでポップカルチャー溢れるテイストで、描いた作品なのである。>
<2024年1月7日 刈谷日劇にて鑑賞>