「悩ましい」ゴーストワールド ツネさんの映画レビュー(感想・評価)
悩ましい
クリックして本文を読む
立川シネマシティで12月2日
新潟シネウインドで12月30日に改めて鑑賞
初見の記憶を辿ると、バスでどこに向かっていったのだろう、だった。その記憶が強くて、内容がこんなに短かったっけ?と思った。もっと長かった気がした。
改めて思ったのは、イーニド、イーニドのような人の生きづらさだった。自分らしく振る舞っていけばいくほど社会から外れていく寂しさ、合わせなけばいけないというマイナスなのかプラスなのか悩ましくなる努力を要求されてるイーニドの痛々しさが自分と重なって辛くなる時と、いきすぎてて笑える時とが振り子のようにいったりきたりする。親友のレベッカが、ラスト近くにアイロン台を自慢する姿が、マジョリティの象徴に見えて、それを肯定しなければならなくなっているイーニドの苦しさが辛い。
イーニドはあの世界に居場所を見出せなかったのか、見出しかけた世界の虚無感に耐えられなかったのか。自分を変える、というと肯定的なイメージがあるけど、ゴーストワールドをみると、変えられない人もいていいはずなのにな、とか思う。
シーモアは、イーニドにとって、結局なんだったんだろう。気まぐれだったのだろうか。
ラストにバスに乗ってどこかへと向かっていく。初見の際、年一とかの特別便があったんだろうと解釈してて、新たな居場所を探しに行ったのだろうか、と思ったけど、解釈によってはあの世へのバスらしく、そう思ってみると、とても寂しく見えた。と、もしかしたら、どこかで幽霊バスが走っているのかもしれないな、と思った。
コメントする